2022.09.20

ファッションアイコンとして君臨し続けたエリザベス女王が「次世代プリンセス」に遺したもの

在位70年、エリザベス女王の圧倒的な人気

世界中に大きな衝撃を与えた、エリザベス女王崩御のニュース。エリザベス女王は1926年4月21日に生まれ。1952年2月、25歳の若さで即位して以来、2022年9月8日、96歳で逝去するまで70年にわたって英国を統治してきました。亡くなる2日前、静養先である英北部スコットランドのバルモラル城にて、保守党党首トラス氏を首相に任命したのが、最後の公務となりました。

イギリスのインターネット調査会社YouGovが行った2022年第2四半期の調査によると、エリザベス女王は「最も人気のある王室メンバー」「最も人気のある著名人」で第1位となっています。イギリスの人々にとってエリザベス女王は特別な存在であり、王室を大切に思う人々の心の拠り所となっていたようです。

photo by gettyimages

現在の英王室は絶対的長子相続制を採用しており、王位継承を性別によらないものとしていますが、かつては男子優先の長子相続制を採用していました。しかし、女性が君主を務めた例は過去にもあり、特にエリザベス女王の高祖母にあたるヴィクトリア女王は、繁栄を極めた大英帝国を統治しました。

エリザベス女王の父ジョージ6世は、「王冠をかけた恋」で知られるエドワード8世の弟で、エドワード8世が王位を放棄したため、ジョージ6世が国王に即位しました。ジョージ6世は、映画『英国王のスピーチ』で描かれたように吃音症を克服したエピソードがよく知られています。国王になるための教育は受けていませんでしたが、誠実で責任感の強い国王として、王室に対する国民の信頼を高めました。

1952年、ジョージ6世が56歳で亡くなり、エリザベス女王が即位しました。1950年代のイギリスは、超大国ではなくなっていましたが、第二次世界大戦後の耐久生活から回復に向かい始める転換期でもあり、エリザベス女王の戴冠式は盛大に執り行われました。

 

子どもたちの結婚をめぐるスキャンダル

エリザベス女王は8歳のときにフィリップ王配と出会い、13歳で恋に落ち、21歳で結婚しました。4人の子どもに恵まれましたが、チャールズ国王、アン王女、アンドリュー王子の結婚生活は破綻しました。

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当時のイギリスには王室婚姻法があり、国王の許可を得ずに結婚をすると、結婚した本人、および許可がない結婚から誕生した子孫は王位継承権が喪失するという規定がありました。現在は、王位継承順位上位の6人に限定されていますが、英王室において、婚姻と王位継承権は深く結びついています。

君主制や王室を廃止すべきという意見もある中、エリザベス女王は王室の近代化に取り組み、王室のあり方を模索してきました。70年もの歳月を積み重ね、エリザベス女王はイギリスの精神的な支柱となりました。

開かれた王室

立憲君主制の礎は国民からの好意なので、英王室は大衆の人気を高めることを必要と考え、カメラを招き入れメディアの取材を許可するようになりました。英王室に関する報道は加熱しがちで、行きすぎた報道も見られますが、英王室は「マスメディアと二人三脚でやっていく」という広報戦略を採用しているようです。

ソーシャルメディアの活用にもいち早く取り組み、積極的に王室の暮らしや仕事を公開し、それぞれの専門分野や役割のアピールも努めています。そうした積み重ねを通して、かつてはベールに閉ざされていたロイヤルファミリーに対して親しみを感じる人は増えているのではないでしょうか。

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