「小泉訪朝」から20年、膠着した「拉致問題」を解決するにはどうするべきか

日本が向かい合うべきは北朝鮮ではない

20年前の9月17日、於平壌

先週の土曜日、すなわち9月17日は、小泉純一郎首相(肩書きは当時、以下同)が訪朝して、金正日(キム・ジョンイル)総書記と会談。蓮池薫さんら5人の拉致被害者を「救出」して、20周年だった。2004年5月22日には2度目の訪朝を果たし、5人の家族も全員、帰国をかなえた。

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私は、小泉首相の2回の訪朝に記者として同行し、北朝鮮の「現場」から、拉致問題を報道してきた。その生々しい日朝間のやりとりや、平壌の様子は、『アジア燃ゆ』(MdN新書、2020年)に詳述した。おそらく、平壌の「貧民窟」にまで潜入したのは、私だけだと思う。

あれから丸20年。日本側は、岸田文雄首相が、訪問先の福島県南相馬市で、記者団に向かってこう述べた。

「2002年に5人の拉致被害者の方々が帰国されて以来、一人の拉致被害者の帰国も実現していないということについては、痛恨の極みであります。日朝平壌宣言に基づいて、拉致・核・ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指して参ります。

条件を付けずに、金正恩委員長と直接向き合う決意を述べてきていますが、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で行動をしていかなければならないと考えております」

 

一方、北朝鮮側は朝鮮中央通信が、一本の記事を、朝鮮語と英語で流した。タイトルは、「朝鮮外務省宋日昊(ソン・イルホ)大使 朝日関係の形勢は日本の態度いかんである」。以下、その全文を訳す。

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