珠玉のポップ・メタル・アルバム『WITNESS』を残し、子宮頸がんで闘病の末に逝ったSHALさん。哀愁美と力強さが魅力のロディアス・ハード・バンド「THE UNCROWNED」の楽曲は音楽雑誌での評価も高く、将来を嘱望されるバンドだった。アルバムリリースの日まで生き抜くことは叶わなかったが、残された命の限りを尽くして2ndアルバム『WITNESS』を完成させた。

後編では引き続き、THE UNCROWNEDのリーダーのTakeshiさんに、生前のSHALさんの姿や、彼女がその生き方や歌詞を通して伝えたかった想いを、伺っていく。

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病気と闘う人たちの希望でありたい

SHALさんが発信する前向きなメッセージやTwitterで見せる飾らない人柄は、多くの人に生きる力と希望を与えてきた。音楽の面でも才能に溢れ、情感あふれる力強い歌声に心揺さぶられてきたファンも多い。

改めて素顔のSHALさんはどんな人だったのか。約6年間、ともに音楽を通して支え合った仲間としてTakeshiさんは次のように語った。

「ボーカリストとしてのSHALとプライベートのSHALとの差はほとんどなくて、みんなが思っているような明るくて前向きで、すごく他人を思いやる人でした。でも、ファンの皆さんに心配をかけたくないがゆえに、調子が悪くても元気な姿をアピールしていたように僕の目には写ることもありました。彼女がだいぶ痩せ細って、酸素吸入器を使い始めるくらいまでは『余命宣告されているとは言え、意外と元気そう』って思っていた人も多いんじゃないかと思います。

だけど、さすがに彼女も人間ですから、弱音を吐くこともあったんです。僕と会ったり電話で話したりするときに泣くこともありました。それでも、一度泣いたら自分をリセットして、そこからまた前向きに頑張ろうとしていましたね。

Twitterでは、彼女の発信がかなり影響力を持つようになっていましたし、本人もそれを自覚していました。『私と同じように病気と戦っている人をガッカリさせたくないし、そういった人達の希望でありたい』と。その決意は固かったように思います」

絶対に後ろ向きにならない。なりそうなときも前を向く。そんな姿をSHALさんは最後まで貫いた。

セカンドアルバムのレコーディング中のSHALさん。写真提供/THE UNCROWNED