生きた証でもある新アルバム

8月初旬、かねてから子宮頸がんで闘病中だった、THE UNCROWNEDのボーカリストSHALさんが天国へと旅立った。子宮頸がんの前がん病変が見つかったのは、2020年6月のこと。それからというもの、抗がん剤治療から手術、放射線治療、再発、新たながん発症と、SHALさんは何度も困難に立ち向かってきた。

「同じ病気の仲間を励ましたい、子宮頸がんの予防啓発になるなら」とFRaUのインタビューにも応じてくれた。会えば、優しい言葉をかけてくれたり、お土産を持ってきてくれたりする気遣いの人だった。

徐々に体調が悪化していき、食事が喉を通らない、呼吸が苦しいという厳しい状況の中でも、ファンに語りかけるSHALさんはいつだって明るい未来を見ていた。すべての人へ、ポジティブなパワーを与えてくれる稀有な存在で、多くの人に愛されていた。

おはようセカイ!
おやすミライ

これはTwitterでのSHALさんのおなじみの挨拶だ。

「いつでも素敵な未来を見ていたいよね」
「皆さんからのメッセージ、ひとつひとつが大きな励みになっています。私は一人じゃない」
「ピースできるくらい元気!ハッピーピースだよv(´∀`*v) 今週も素敵に元気に、一週間頑張りましょうね♪」
「まだまだ生きていたい。人生いつだってこれからです」

最後の投稿となった8月1日も、「新しい月の始まり。私らしく生きていきたいです!」とつぶやいていた。きっとまた立ち上がる。SHALさんだもの…。そう願っていたのは筆者だけではないと思う。

-AD-

そんなSHALさんが、命を削って作り上げた、セカンドアルバム『WITNESS』が、9月21日にリリースされた。アルバムとしては約6年ぶり。SHALさんは、ファンとの約束を果たすために、残された時間を不屈の精神でアルバム制作に費やした。

歌詞の多くは、闘病中にSHALさんが書いたものだ。SHALさんには、「子宮頸がんのことを知ってもらいたい。子宮頸がんという病気に偏見を持たないでほしい」という、強い思いがあった。がんで先に逝ってしまった友に捧げた歌もある。今回のアルバムは、SHALさんが懸命に生きた証であり、THE UNCROWNEDの集大成とも言える作品となっている。

SHALさんの生き様をもう一度、皆さんに伝えたい。そして彼女が伝えたかった子宮頸がんという病気のこと、病気と闘った仲間への想いが多くの人へ届きますように。バンドリーダーのTakeshiさんが、生前のSHALさんの姿とアルバムに込めた想いを語ってくれた。

akeshiさん(左)と生前のSHALさん(右)。写真提供/THE UNCROWNED