2022.09.23

ここにきて、日本の「半導体産業」が大復活…!世界最大手のTSMCが「熊本に工場建設」した意外なワケ

春川 正明 プロフィール

日本初となるTSMCの熊本工場は、画像センサーを作るソニーグループと自動車部品メーカーのデンソーと合弁で建設され、今年4月に着工し2024年12月の生産開始を見込んでいる。敷地面積は23万平方キロメートルで、計画によると工場の従業員1700人のうち1200人は地元で採用する。投資総額は約1兆円で、日本政府は最大4760億円の補助金を出す。

TSMC進出を受けて、県内外から多くの半導体関連企業が熊本に進出すると見られており、地元銀行グループの試算によると、県内への経済波及効果は2022年からの10年間で約4兆2900億円に上るということだ。

台湾からはTSMCの従業員とその家族、合わせて約600人が来日する見込みで、従業員向けの住宅や商業施設、インターナショナルスクールの充実など地元経済に与える影響も大きい。

深刻な半導体不足を背景に…

地元熊本の産業界は今回のTSMCの誘致について、どの様に受け止めているのだろうか。熊本県工業連合会の田中稔彦会長はこう語る。

「そこで実際に動くお金、経済波及効果が一番のメリットだと思うのですが、それは直接的な部分で、その先にある間接的なメリットも非常に大きいだろうと考えています。

例えば、アメリカのシリコンバレーが半導体の製造、インテルが半導体を作ってそれで終わったのではなくて、その後にアップルやグーグル、フェイスブックなど、こういう世界を動かすビジネスが生まれて来たということを見ても、半導体というのは入口だと思っています。

これが一つの引き金となって、そこから生まれるハード、そしてその先にあるサービス、さらにその先には人々の幸福度の向上にこの事業が繋がっていくことを考えると、熊本に限らず、この半導体企業の進出が、日本や九州にもたらすメリットは非常に大きいと思っています」

熊本県工業連合会・田中稔彦会長熊本県工業連合会・田中稔彦会長

“産業のコメ”と呼ばれる半導体について、基礎的な事柄をおさらいしよう。半導体とは、電気を通す金属などの「導体」と、電気を通さないゴムなどの「絶縁体」との中間の性質を備えたシリコンなどの物質や材料のことだ。

ある条件の時に電気を通すという電流の制御が主な機能で、本来はこの様にシリコンなどの物質を意味するが、現在では半導体を材料にしたトランジスタやIC(集積回路)を指すのが一般的だ。

半導体は情報の記憶、数値計算や演算などの情報処理機能を持ち、電子機器や装置の頭脳部分として中心的役割を果たし、パソコンやスマートフォン、自動車、家電など殆どの電子機器に搭載されている。

ではなぜ、世界中でいま半導体が不足しているのだろうか。その原因はこうだ。

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