2022.09.24

ロシアによるウクライナへの侵攻を契機に…GLAY・TAKUROが「新曲に込めた思い」

記事前編<60枚目のシングルをリリースしたGLAY・TAKUROが語る「今いちばん自分が表現したいこと」>に引き続き、60枚目となるシングル『Only One, Only You』をリリースしたGLAYのリーダー、TAKUROのインタビューをお送りする。

シングルの表題曲「Only One, Only You」は、ロシアによるウクライナへの侵攻を契機に作られた曲だという。この曲だけでなく、近年のGLAYは世の中に対する思いやメッセージを込めた作品も発表してきている。

そうした思いの背景にあるものについても語ってもらった。

 

「テレビからはコロナのニュースばかり」

――昨年にリリースされた最新アルバム『FREEDOM ONLY』に入っている「Winter Moon Winter Stars」という曲には「テレビからはコロナのニュースばかり」という歌詞があります。近年のGLAYには、まさに新聞のようにその時の社会の状況を歌う曲、5年後には古くなっているような曲を、あえて積極的に形にしているような印象もありますが、そこにはどんな考えがあるんでしょうか?

幸いなことに、僕らは2年に1回とかアルバムを出してきていて。別れの歌が半分なら幸せの歌が半分、自分の悩みを歌うのが半分だったら誰かの幸せを願うのが半分だったり、幅があるのがGLAYがGLAYたるゆえんなので。それをわざとやって、古くなることで、ある種時代の定義みたいなものを残しておくというのもありますね。僕は80年代という時代が大好きで。特に日本における80年代は、歴史的に見ても摩訶不思議な、戦後がむしゃらに働いた人たちが頂点を極めた時代で、そこから90年代に突然に没落していくというドラマチックな時代だと思っていて。語れることが多いし、そういう時に、ある種キーワードとしていろんなものが出てくるのが時代考証として面白いと思うんです。

それと同じように、「コロナ」っていう言葉を一個入れるだけで、10年たったらその曲が、笑って歌えるような、もしくは歌いづらいようなものになる。そういうポップミュージックの宿命を自分で作れる強みというか。たとえばその代表は「ポケベルが鳴らなくて」ですよね。あれを今の子たちに聴かせたら「何が鳴らないの?」って話じゃないですか。まさに時代の鏡のような曲になっているという。

――今おっしゃったことは、GLAYというバンドが10年、20年続くイメージがあるからこそ、ということもあるんじゃないでしょうか。こういうタイプの曲をこの先に「これはあの時の曲だったんだ」と言って歌えるようになるという未来のイメージがある。

そうですね。ひとつは音楽的な進化を止めないということ、もうひとつは、楽しいバンド活動を死ぬまでやっていたいということ。これは、バンド作った時の命題のふたつなんです。長く続けるぞっていう前提があれば、こういった、ある種の時代に対する実験が可能だと気付いた。GLAYの曲は、これまでアルバム16枚出してきたので、400〜500ぐらいあるんですけど、意図的にその時代その時代でしか輝けなかった言葉たちを埋めることによって、錆びた言葉が今もいい味を出してくるということがあって。51の俺たちが、27の頃の歌を歌うって、こんな幸せはないなと。

いちばんは、たとえば「HOWEVER」という曲ですね。あの曲に関しては、歌詞もメロディも直すところは一切ない、完璧な構図の美しさを持った曲だと思うけど。ちなみに、演奏だけはやり直したいです(笑)。27歳のピュアさで、51歳の技術があれば、完璧だ!と思っていたので。そういう意味では、今、51歳のある種のずるさ、人生とか生きるってこういうことかとわかったり、なくしたものもよく見えれば、得たものもよく見えるようになってから、そういう思いを込めて、20代のまっすぐさを歌うことができる。この「Only One, Only You」も、たぶんGLAYの今後のキャリアの中では重要な一曲になっていく予感がしています。

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