ウクライナ軍の反転攻勢に焦るプーチン…「核ミサイルを撃つタイミングは今しかない」

奇襲作戦で北東部・ハルキウ州の大半を奪還したウクライナ軍。しかし、油断してはいけない。プーチンはまさに今、最終兵器を放とうとしている。最悪のシナリオを徹底的にシミュレーションする。

ウクライナ軍が仕掛けた罠

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ウクライナ戦争が重大な転換点を迎えている。9月11日、ウクライナ軍は北東部のハルキウ州のほぼ全域を奪還した。取り戻した領土は4000~6000平方キロメートルとされ、東京都の面積の1.8倍にあたる。ロシア軍は守勢に回り、部隊の再編制を余儀なくされた。被害も甚大で主力兵器である戦車『T-80』を100台以上破壊され、ロシア軍の重要な補給地点であったイジューム、クピャンスクも失った。'14年の東部ドンバス紛争で指揮を取った元ロシア軍司令官のイゴール・ガーキンは此度の敗走についてこう語っている。

「現在の状況を日露戦争になぞらえて表現するならば、奉天会戦という言葉しか思い浮かばない。ロシアは負けつつあるかもしれない」

 

奉天会戦は日露戦争において、圧倒的に兵力差があったロシア軍を日本軍が破り、後の勝利を決定的とした戦いだ。国内からそんな声が出るほど、ロシアは窮地に立たされているのだ。

ハルキウ州の奪還は用意周到に仕組まれた奇襲作戦だった。8月9日、ウクライナ軍はクリミア半島西部のサキ航空基地を砲撃し、20日には軍港都市セバストポリでロシア黒海艦隊司令部を爆撃した。

その際、黒海艦隊が所有する戦闘機の半数以上を破壊した。ロシア軍は南西部の要衝へルソンで反攻が始まると予測し、北部、東部に駐留していた兵力を南部に移送し、守備を固めた。

しかし、それが罠だった。ウクライナ軍は手薄になったハルキウ州を一気に攻め立てた。軍事評論家の高部正樹氏が語る。

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