2020年10月、改名によって櫻坂46に生まれ変わったグループを牽引してきた小林由依さん。無我夢中で走り続けたなかで決断した3ヶ月の休養期間は挫折ではなく、進化するために必要なステップだった。キャリア最大級のターニングポイントを経て、2冊目の写真集『意外性』では、かつてないほど自然体の笑顔を披露。ストイックに自分を追い込むのではなく、思い通りに活動できなくても「まあ、いっか」と唱えることで気持ちを切り替える。インタビュー後編では、柔軟かつ持続可能なスタンスを手に入れるまでのストーリーを振り返ってもらった。

前編はこちら→「櫻坂46小林由依「理想の自分」を手放して辿り着いた「現在地」

初めて仕事を休んだ理由

小林由依2nd写真集「意外性」より 撮影/柴田文子
-AD-

15歳でデビューするまでは、歌もダンスも未経験。それを言い訳に甘えるタイプではなく、常に完璧を目指してストイックにスキルを磨いてきた。努力は裏切らない。グループ随一の切れ味を誇るダンスを武器に、2018年の日本レコード大賞で披露した「アンビバレント」ではセンターポジションに。同年のNHK紅白歌合戦でも「ガラスを割れ!」のパフォーマンスでも再びセンターを務め、注目度が高まっているなかで翌年にはファースト写真集『感情の構図』を発売。

小林由依さんにとって、新たな仕事は「頑張ったご褒美」だった。

「心が折れそうな時は、『このお仕事で結果を出せば、次はこういうお仕事が来るかもしれない』と思って、自分に火をつけていました。絶対に期待に応えたかったし、次に繋げたかったし、そのためには完璧にできないといけないと思い込んでいて……いつも精神的に張り詰めていたと思います。でも2020年に入って、コロナ禍で思い通りに活動できない時期が続き、さらに『自分が頑張らなきゃ!』という気持ちが強くなったのですが、次第に身体が追いつかなくなってきて。『ちょっと調子が悪いな』と感じることが増えていたんです」

2021年9月、活動を休止して休養することを発表。ガムシャラに駆け抜けてきた道の過程で、自分の意思で歩みを止めたのは始めてのことだった。

「それまで私はお仕事を休んだことがなくて、握手会も一度も休まずに参加していたので、休んだら大事な何かが崩れてしまうのではないか……という不安もありました。それでも、ずっと本調子じゃないまま活動を続けるのも何か違うなと思い、お休みをいただくことにしました。今後、より全力で活動に励むためにも、今はゆっくり休むことが必要なのかなと」