6. 天才少女とポアンカレ予想
宇宙の話は、4次元や多様体の勉強の導入にも役立ちます、といいました。
宇宙空間が3次元球面かどうか、というフレーズはブルー・バックス読者の皆様なら
「ポアンカレ予想」の解説の話でお聞きになったことが有るでしょう。「ポアンカレ予想が解けた!」と言ってTVや新聞でもニュースになりましたし。
極大雑把にいうと、ポアンカレ予想の説明で、3次元球面は、こんな感じで出てきます。宇宙は有限だが“はしっこ”が無いとしましょう。
さて、宇宙は3次元球面でしょうか?
ただ、この説明だと、極初心者だとそもそも3次元球面を知らない人もいるので、むずかしいかもしれませんが。それに3次元球面以外の可能性がどんなものが有るのか?も極初心者だと思い浮かばないですよね。
拙著『多様体とは何か』や、この記事の前の記事「『ポアンカレ予想』はまだ解けていない!?」 で、初心者向けに、もっと初歩から説明しました。
とはいえ、こういう感じでポアンカレ予想という、多様体についての基本かつ重要な話の説明をするときに宇宙が出てきます。
なにはともあれ、宇宙に思いを馳せる人は、高次元や多様体が見えるようになります。この一連の記事でも宇宙を喩えに多様体を説明したり、多様体によって宇宙を説明してきました。
ところで、「ポアンカレ予想が解けた!」というフレーズに重大な注をいいます。本稿で論じた、宇宙や物理や数学や多様体を研究する上でも非常に大事なことですので。
ポアンカレ予想は実は全ての次元で3種類(位相、PL、微分)あります。そして、ニュースにもなった「ポアンカレ予想が解けた!」というのは、かなりの部分が解けた、当初の目的も解けた、ということです(詳細は前の記事「『ポアンカレ予想』はまだ解けていない!?」に書きました)。
実は、
4次元微分ポアンカレ予想、4次元PLポアンカレ予想、「高次元微分ポアンカレ予想の残り少し」は未解決です(これら以外は解けています)。
解けば歴史に名を残せます。
4次元微分ポアンカレ予想を解けば、宇宙の研究も大きく発展するでしょう。私は、これらの極重要問題が忘れられないように、拙著『多様体とは何か』や本稿の前の記事「『ポアンカレ予想』はまだ解けていない!?」 で皆様にうったえました。
皆様のおかげで新たな方達に届いてきているようです。
小学1年生の天才少女・瀬谷心音さんがさっそく、4次元微分ポアンカレ予想にアタックしはじめました。意気込みを語ってくれています。是非クリックして御覧ください。
皆様、応援してあげて下さい。皆様も負けずにアタックして下さい。