突然の病、そのときペットは!?

52歳の時、山手線車内で突然心肺停止し、生死の境をさまよいながらも、社会復帰。SNSで話題になった「蘇りルポ」がマンガ付きの実用書『山手線で心肺停止 アラフィフ医療ライターが伝える予兆から社会復帰までのすべて』として話題を集めている医療ライターの熊本美加さんだ。

健康診断はおおむねAの熊本さんを突然襲った心肺停止。しかし、日本で年間7.9万人が突然死をしている(※1)という。人はいつ何時どんなことがあるかはわからない。

 

私自身も「不健康な体型や生活をしている割に健康診断の数値がいい」と自負していたのに、3年前かかりつけの産婦人科で、「今すぐ、大急ぎで大きな病院で精密検査を!」といわれた。子宮に筋腫とは異なるMRIを撮ってみると顔つきがよくない巨大な腫瘍が発覚したのだ。大病院では「病理検査の結果によっては予後不良の疾患の可能性もあります」と宣告された。

混乱する中、連日の検査が続き、大きな病院を最初に受診してから2週間後に子宮全摘手術をすることが決まった。死の恐怖と連日検査で、脳の処理が追い付かない。仕事は事情を説明して休めたが、ギリギリまで頭を悩ませたのが、いっしょに暮らしている2匹の猫のことだった。入院は15日前後と言われているが、退院しても今までのように暮らせるのか、予後はどうなのか……。私が万が一いなくなってもこの2匹を安心して暮らしていける預け先を探さなくては……! でも、猫の預け先探しは思った以上に難航した。

実際に、ペットの飼育放棄の問題を探ってみると、ペットを手放す理由として「飼い主の健康問題」が68%(内訳は、飼い主の死亡 9%、飼い主の病気59%)も占めるという(※2)。

おかげさまで病理結果で悪性は回避されたが、健康を過信してはいけない、私に限って…はないということを自覚した。

山手線で心肺停止した熊本さんも無類の猫好きで、3匹の猫と暮らしている。独身、一人暮らしの熊本さんは、突然襲ったこの事態の中、どう猫たちを守ったのか。動物愛護週間の今だからこそ、突然の病は誰にでも起こることとして、「そのときペットをどうするか?」を考えてみたいと思う。

※1:日本AED財団「心臓突然死の現状」
※2:東京都動物愛護相談センター多摩支所「事業の概要」(2019 年度)

(c)上野りゅうじん、熊本美加『山手線で心肺停止』より
(c)上野りゅうじん、熊本美加『山手線で心肺停止』より