2022.10.06
# ビジネス

51歳社長の後悔が止まらない…「社員の賃上げ」よりも先に経営者がやるべきこと

「在宅勤務」も人材流出のリスク

社員のモチベーションを高めるはずの「賃上げ」。ところが、賃上げしたにもかかわらず、社員が不満を抱くケースは少なくないという。

一例を上げると、社員数50名の企業A社では、昨今の「賃上げ」ムードもあり全社員の昇給額をアップ。しかし、昇給額に同期と差があることを知った若手社員が、その評価に不満を抱き、数ヶ月後に転職してしまったのだ。

よかれと思って給与を上げたのに、どうしてこんなことになるのか? 経営コンサルタントで、人事評価制度にくわしい山元浩二氏に、賃上げよりも先にやらなくてはいけない、本当に大切なことを教えてもらった。

「3つのステップ」を踏めば失敗しない

A社では社員の昇給額を上げるにあたり、コンサルタントのアドバイスに基づき、「人事評価制度」を導入したばかりでした。社長が一人一人の昇給額や賞与額を設定する、旧来の体制ではいけないと考えたからです。

しかし、実際にはその評価に不満を抱いて社員が転職。田中社長(51歳、仮名)はどうするべきだったのでしょうか。

A社が評価制度を導入する上で、足りなかった2つの仕組みがあります。それが「トライアル評価」と「納得度アンケート」です。

「トライアル評価」とは、評価者となるリーダーに対して実施するものです。部下を納得させ、なおかつやる気を引き出すことにつながるような評価ができるように、一定のレベルになるまで教育を行います。

評価の期間を四半期ごとに設定して、実際の評価基準に基づき、面談や目標の設定も実施します。私のクライアントには基本的に最低3回実施してもらっており、平均6~7回行います。

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一方、「納得度アンケート」は、人事評価制度導入後、全社員に対して行うものです。評価に納得感を得られているか、面談を通じて成長のための目標が明確になったかを確認します。これも継続して行うことが大切で、半年ごとに行い、納得度が95%を超えるのが理想です。

そして「トライアル評価」を行っていること、つまり評価者を育成していることについても全社員で共有し、多くの社員から高い納得感を得られた上で初めて賃金に反映します。

賃金反映までの流れとしては、

ステップ(1) 人事評価制度の作成

ステップ(2) 評価者への「トライアル評価」による教育、全社員への「納得度アンケート」

ステップ(3) 賃金制度の設計、導入

となります。

もうお分かりだと思いますが、「トライアル評価」「納得度アンケート」を行うのは、非常に時間がかかることです。私のクライアントでは3~5年かけて行っています。A社の失敗は人事評価制度導入と同時にリーダーに評価を任せ、賃金に反映してしまったことなのです。

これまで多くの会社での実体験を通じて、私はステップ(2)の「適正な評価ができるリーダーの育成」「納得度アンケート」で満足な結果が得られるまでは、「トップが決めた評価」の方が社員の納得度は高いことを確信しています。

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