花田「心卑しい議論だ」 斎藤「その認識はおかしい」
花田 いまリベラルメディアが繰り広げている旧統一教会批判は酷すぎるね。端的に言って、旧統一教会問題を奇貨として安倍さんを貶めようという、心卑しい「ためにする議論」でしかない。
近年、メディアは旧統一教会にほとんど関心を寄せてこなかった。だから実態なんか知らないはずだ。なのに、「教団への恨みから、教団と関係のある安倍氏を狙った」などという山上容疑者の供述が伝わってくると、メディアは急に教団を巨悪であるかのように言い始め、そのうえ、教団と安倍さんとの接点をことさらクローズアップして、「だから安倍氏にも非があった」「因果応報だ」といったムードまで醸成してる。要は、旧統一教会の「悪」や、安倍さんとの関係をあえて過大に言い立てて、安倍さんの評価を下げたい一心なんですよ。
実際、安倍さんは暗殺されても仕方なかったと言わんばかりの空気がすっかり世の中を覆うようになってしまった。これはとんでもない話だ。国葬への反対が増えてきたのも、この空気が関係している。こういったムードを必死になって作っているのが、朝日新聞や毎日新聞、それとテレビのワイドショーだよ。社会が朝日的なものに毒されていくようだ。朝日のこの安倍さん叩きの執念はいったい何なのかね。
いまや自民党まで、メディアと世論に気圧されて、「社会的に問題が指摘されている」などという極めて曖昧な理由で「旧統一教会と関係を絶つ」と宣言してしまった。旧統一教会はれっきとした宗教法人格を有している団体であるにもかかわらず、ですよ。
いま語るべきは旧統一教会問題などではなく、統一教会「報道問題」だよ。

斎藤 その認識はおかしい。どうして教団に問題がないかのように言えるんですか?
たしかに、僕もその一員なのであろうリベラルジャーナリズムは、長らく旧統一教会を俎上に載せてきませんでした。だから花田さんがおっしゃる通り、ごく一部のジャーナリストや、被害相談にあたっていた全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の弁護士らを除いて、近年の教団の問題を知らなかった。
でも、その全国弁連の紀藤正樹弁護士たちが会見やメディア発信によって連日説明していることで、いまなお霊感商法で苦しめられている信者や家族が数多くいる実態が明らかになってきたじゃないですか。
かつて『週刊文春』でお世話になった恩人の花田さんに対して生意気な言い方になってしまいますが、花田さんはいま事態を正面から見ようとしていないのではないか。
花田 いやいや、そんなことはまったくない。いま朝日などが問題にしてるのは、ほとんど教団の過去の話ですよ。
斎藤 傍から見ると、花田さんはこの1~2年、ますます安倍氏に入れ込んできたように見えます。実際、『Hanada』には今年2月号以降、ほぼ毎号何らかの形で安倍氏が登場している。その安倍氏がああいう亡くなり方をしたことで、花田さんの中でいっそう安倍氏への敬愛が高まり、傷つけたくないと思うあまり、旧統一教会問題を矮小化しようとしてしまっているんじゃないでしょうか。