2022.09.29
# 節約

「夫の給料も退職金も分からない」…老後に不安を募らせる「45歳専業主婦」が衝撃を受けた「とある一言」

家計を知らされない不安

ファイナンシャルプランナーへ相談にいらっしゃる理由は人それぞれです。住宅を購入する、子供が生まれる、相続が発生するなど、具体的な課題があってお見えになる方も多いですが、ぼんやりと将来が不安だと訴えてお越しになる方も少なくありません。

「お久しぶりです」とご連絡をいただいた中村様がFP相談にはじめてお越しになったのはもう10年以上も前のことです。その後は特にご連絡もなかったので、突然のメールでした。「主人が今年65歳になり完全リタイアをすると言うので、今後についていろいろお話を伺いたい」とのことです。

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現在56歳になられた中村様は、若々しくとてもお元気そうに見えました。久しぶりにお顔を拝見し、以前の印象とはずいぶん変わっていることに気づきました。でもその理由は、中村様ご自身が語ってくださったことで少しずつはっきりしてきました。

「FP相談に申し込んだことが私の人生を変えたと思っているんです」と切り出されたお話は、家計管理に不安しかない専業主婦が、経済的自立を手にいれた、心と行動の変遷でした。

中村様は当時45歳、9歳年上の夫と高校生の男の子と中学生の女の子の4人家族。もっぱらの相談ごとはダブル受験を控えたお子さんたちの教育費の捻出と老後のお金のことでした。少しでも足しになるように、働きに出た方が良いだろうかという質問もいただきました。

筆者は、当時中村様が何度も「分からない」を連発していたことを思い出しました。ファイナンシャルプランナーへご相談にお見えになる方は、いろいろ分からないから相談にくるのでもちろん「分からない」は当たり前なのですが、彼女の「分からない」は所在なさげというか、疎外された寂しい気持ちが見え隠れするような響きだったのです。

ご主人の年収を伺っても「分からない。聞いたことがない」とおっしゃいます。大手企業にお勤めのご主人ですから、それなりの年収だろうと思ってはいるけれど、給与の額を全く聞いたことがない、どんな仕事をしているのか、役職があるのか、退職金があるのかどうかも「分からない」とおっしゃるのです。

日々の生活費はどのくらいか伺うと、結婚以来毎月決まった額を夫から現金で手渡されそれでやりくりをしていて、不足があれば都度お金をもらうので本当はどのくらいかかっているのか「分からない」ともおっしゃいました。

実際、手渡しされているお金は食料品や日用品など日々の買い出しに使うには十分な額で、子供の運動会や誕生会だという少し費用がかさむイベントがある場合は夫からその分をもらっていました。水道光熱費は夫の銀行口座からの引き落としなので明細が届いていてもあまり気にせずそのまま、子供の塾の費用やお稽古事の費用も夫の銀行口座からの引き落としなのでなんとなくは把握しているものの、実額は「分からない」状態でした。

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