2022.09.29
# 節約

「夫の給料も退職金も分からない」…老後に不安を募らせる「45歳専業主婦」が衝撃を受けた「とある一言」

山中 伸枝 プロフィール

では、貯蓄はというとこちらもすべて夫が管理しているので「分からない」。保険などにも入っていると思うが、どうなっているのか「知らない」状態です。

ご主人は「うちは裕福じゃないのだから、贅沢はするな」とおっしゃりながらも、「貯金はちゃんとしている、細かいことは聞くな」が口癖なので、奥様の不安は行き場を失っているようでした。「聞いても何も教えてくれない」、との言葉が、夫へ対する不信感と寂しさが混ざっているような響きでした。

PHOTO by iStock
 

亭主関白で片付けてはいけない

職場結婚だった中村様は、年の離れたご主人が忙しく働く姿を見てとても頼もしく思い、結婚後は家庭に入り「それが自分の務め」と家事と育児に専念してこられました。今から30年くらい前の話になりますから、女性の就職は腰掛けであり、早々に寿退職することが、世間的にも望まれていたことでしたから、中村様の決断はごく自然なことだったと思います。

子供さんが小さい時は、二人の子供の送り迎えや行事の出席で、日々バタバタと時間が過ぎ去っていくばかりでしたから、家計費を渡されそれでやりくりすることに疑問を抱くこともなかったと言います。実母も同じように父から渡されたお金で家計管理をしていたので、そういうものだと思っていたそうです。

「うちの夫は亭主関白で、おまえは家のことだけしっかりやっていてくれたらいいんだ。他のことには口を出すな、というばかりで、会話もろくにできないんですよ」と夫婦間のコミュニケーション不足を訴えていらっしゃいました。

中村さんがFP相談をしようと思った一番のきっかけは、お子さんの言葉だったといいます。当時中学生だったお嬢さんが「私はママのような専業主婦じゃなくて、バリバリ仕事をしたいな」と言いだしたのだそうです。社会に興味を持ち始めた頃で、「ママと話をしても分からないばっかりでつまらない」と言うこともありました。思春期の子供が大人を客観視する頃なのかもしれませんが、やはりこういう言葉を聞くとひどく落ち込みます。

なるほど、以前ご相談にお見えになった時は、精神的にかなりつらいところで勇気を出してお越しになったんだということを改めて感じました。言葉の端々から想像はしたものの、家族間の問題まで踏み込むことはなかなかできないものです。

SPONSORED