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世界の聖地を撮り続けた写真家が伊勢神宮で出会った「日本の本物のSDGs」
2022.10.03

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世界の聖地を撮り続けた写真家が伊勢神宮で出会った「日本の本物のSDGs」

世界の聖地を撮り続けた写真家が伊勢神宮で出会った「日本の本物のSDGs」 撮影/稲田美織 画像ギャラリーを見る→

2001年9月11日に起きた同時多発テロをきっかけとし、世界各地の聖地を撮り続けている写真家の稲田美織さん。1991年からNYに暮らしていたが、現在は日本に拠点をうつしている。
聖地を撮るということは、当然そこに足を運ばなければならない。時には雪山を登り、川を下り、世界各地の聖地を回りながら、自然の力を感じてきたという。人間が浅はかな気持ちで壊してはならない大切なもの。地球の素晴らしさを見つめなおすためにも、稲田さんが出会った様々な「聖地」を写真と共に紹介していく。
連載第1回は日本の聖地、伊勢神宮に出会ったときのことをお届けする、

2001年9月11日のこと

私は1991年からNYに移り住み、当時、現代アートの聖地で制作に集中していた。当時は治安が悪く、常にポケットに20ドル札を入れて、身の危険がある時にはそれを渡して逃げろと言われていた。それでも、NYの街はエネルギーに溢れていて、魅力的であった。100以上の人種や言語がそこには存在し、まるで小さな地球の縮図であった。いつしか、世界中の人々と友人になり、お互いに理解してゆけば、いつか世界は平和になると信じていた。あの9.11までは……。

2001年9月11日朝。目を疑うような光景をアパートの窓から目撃した。
ツインタワーは多くの命を飲み込んだまま崩落し、その後、コスモポリタンであるNYがまるで宗教戦争のようになり、私は深い淵に落ちていった。

2001年9月11日、目の前に信じがたい光景が…Photo by Getty Images

そんな沈んだ気持ちから立ち直れず、カメラを持てずにいたある日、本屋でネィティブアメリカンの写真集に出会った。その瞬間、何かを直感し、1年ぶりにカメラを持ってサウスウエストに旅立つことを決めた。そこには自然の一部として生きる人々、そして祈りの聖地があった。人間の力を大きく超える世界がそこにはあった。そこから、私は、世界中の聖地を撮影し、銀座で展覧会を開いた。その時にいらした方の縁で、私は伊勢神宮に導かれた。

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AUTHOR
写真家
稲田 美織

多摩美術大学油絵科を卒業し、教職を経て、1991年からNYに移住。1995年に写真家としてハーバード大学で個展デビュー。9.11同時多発テロの目撃から世界中の聖地を巡り撮影する。現在は伊勢神宮の撮影を行う。

展覧会 国連、コロンビア大学、NYIT、NJIT、ブルックリン植物園、イスラエル美術館、モナコ公国日本庭園、東京国立博物館『大神社展』、東京農大博物館、ウクライナ大使館、ポーランド大使館、ワシントン・ヒルラーアートスペース、銀座シャネル・ベージュ、クラブ関東、致道博物館、外国人記者クラブなどで展覧会と記者会見を開く。

ワシントンポスト、Japan Times、読売新聞、朝日新聞、プレジデント、アエラVogue、NHKワールド、ニュースZERO、フジ・ニュースのキモ、TV朝日エコの作法など。2012年日中国交正常化40周年で展覧会が外務省正式行事となる。2016年伊勢志摩サミットでG7首脳陣に公式に初の神宮英語本が渡される。2015年に神道文化功労賞を受賞。

コレクション ハーバード大学フォトグラフィコレクション、フェデイリティ、ウクライナ大使館、致道博物館など。

『聖地へ』『水と森の聖地、伊勢神宮』『英語本 Ise Jingu and the Origins of Japan』『奇跡に出逢える世界の聖地』『伊勢神宮 水のいのち、稲のいのち、木のいのち』『日月巡礼出羽三山』『出羽三山』、伊勢神宮、出羽三山神社の公式本数冊

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