2022.10.13
# 医療・健康・食 # 育児

周産期医療発展の矛盾…働く30代母の慟哭「重度の障害を持った我が子を自宅でどうやって育てていけばいいのか」

出産前に思い描いていた当たり前の「育児」との乖離......。障害を持って生まれた子どもたちと家族はどのような人生を歩んでいくのか。前編記事『30代母の絶望 生まれた我が子が「瞬きもできない」重度障害児…周産期医療の発展がもたらした「普通」とはかけ離れた育児』から続く。

自分を責める母親が行き着くのは......

子どもに障害が残った場合、母親は自分を責める。

責め、そして、自分を追い込み、子どもを受け入れる以前に、自分が壊れてしまう母親も少なくない。

Photo by gettyimages
 

「NICUでは、障害を負ったお子さんや看取ったお子さん、多くのお子さんをみてきました。周産期医療の発展で多くのお子さんが救われるようになった一方、障害を負うお子さんも増えてきています。しかし、福祉、社会資源のサポートがまだまだ未整備なのが現状です。

私たち医療従事者は、お母さん方の精神的ケアにも務めますが、限界がある。私たちもケアに対する専門的な研修を受けているわけではありません。それに、NICUの病床は少なく、次から次へとお子さんが運ばれてくる。お母さんが受け入れられなくても、病床をあけなくてはいけない。すごく大きなジレンマを抱えています」

そう話すのは、ドラマ「コウノドリ」の取材協力医師も務めた小児科医/新生児科医、一般社団法人チャイルドリテラシー教会代表理事の今西洋介氏だ。今西氏はNICUで多くの母親たちの涙、葛藤を目の当たりにしてきた。

私自身も子どもが出産トラブルで障害を負い、長期間NICUに入院していた。しかし、誰も精神的なサポートをしてくれなかった記憶がある。病院の心理士からは「そういったお母さんに対応したことがない」と言われるぐらい、医療の発展の裏では、当事者である母親が置き去りにされている。精神的ケアがほぼされないまま、自宅に帰されている現状があるのだ。

関連記事