提供:パルシステム生活協同組合連合会

気候危機につながる食品ロスを減らすために選択したい「パルシステム」について、ご紹介します。

食品ロス削減は家庭でできる気候変動対策

気候変動を引き起こす温室効果ガスの増加にはさまざまな要因があるが、食品ロスが大きく影響しているということはあまり知られていない。野菜の皮や芯、飲食店での食べ残しや小売店での賞味期限切れによる廃棄、売れ残りや規格外などの理由による廃棄は、焼却処分すれば二酸化炭素を発生し、埋め立てればメタンを発生する。

そこで、食品ロスを削減するために私たちにできる一つの選択がパルシステムを利用すること。パルシステムはおいしくて安全な食を中心とした商品を個人宅に配達するシステムで、生産や流通の現場レベルから食料廃棄の削減に取り組んでいる。そもそも宅配システムは食品ロスを生み出しにくい。組合員の注文を起点として生産するため、過剰発注や余剰在庫がなく、食料システムのなかで必要な量が必要な所に届く仕組みになっている。

生産レベルでは、予備品を加工して有効活用したり、青果の規格サイズ外品をミールキットにしたりと、サステナブルな商品開発を心がけている。食材の保存方法や保存食レシピといった多彩な情報をカタログやサイトを通じて提供することで、家庭での無駄を減らす取り組みも。それでも流通の過程上、どうしても残ってしまう食品は、地域の生活困窮者支援団体などへ提供して、廃棄せずに有効活用。つまりパルシステムを利用することで、食品ロスを削減し、地球環境への負荷を軽減することにつながっているのだ。

無駄が少ない生協の宅配システム

組合員一人一人の注文をパルシステムがまとめて生産者へ注文し、組合員宅へ配達。同時にリサイクル資源を回収するという生活協同組合ならではのシステム。一般的な市場を通さず、まとめて注文することで流通のコストを抑えられたり、適正な価格で利用したりすることができる。また、生産者にとっても計画を立てて効率よく生産・出荷することができるため、無駄がない。容器・包装の簡素化やリユース、リサイクルに取り組みやすいこともメリット。

さらにパルシステムでは、生産者と組合員がともに話し合いながら、有機栽培を始めとした持続可能な環境保全型農業を広げてきた。2022年3月時点でパルシステムの有機JAS認証取得面積は、全国の産地の2割にあたる2586ha。こうした農業は一般的な農法に比べ、農地の土壌に有機炭素がより多くたまり、その分、大気中の二酸化炭素が減るとされている。また、製造過程で温室効果ガスを排出する肥料や農薬を使わないことも、気候危機対策として有効なのだ。

“もったいなくない”商品を開発

規格サイズ外のさつまいもを活用した「さつまいもスティック」や、ひょうの被害を受けたりんごを使った「りんごジュース」など、規格サイズ外の野菜や傷がついた果物などを無駄なく活用したサステナブルな商品を開発している。出荷が休みの日に生まれた産直卵はカスタードプリンやカステラ、茶碗蒸しなどに加工することで有効活用。

また、ブロッコリーの茎を通常より長めに残して廃棄率を下げた「茎が長めのブロッコリー」も人気アイテムだ。通常の冷凍ブロッコリーでは、形やサイズをそろえるため、茎の部分を中心に1株当たり45%ほど切り捨てるところ、長めに残すことで廃棄率を25%にまで抑えている。これは「消費者を巻き込んだ多種多様な取り組み」として評価され、農林水産省が後援する「第1回食品産業もったいない大賞」で「審査委員会委員長賞」を受賞した。

食材を使い切れるミールキットも、使い勝手がよくゼロウェイストだと大好評。セットで使用しているRマークの付いたトレーはリサイクルされる。

発生してしまう予備は支援に

新型コロナウイルス感染拡大の影響から失業や休業により生活に困窮する人が急増しているなか、2020年から本格的に取り組み始めたのが、予備食品を活用した生活困窮者への支援活動。

パルシステムは食品ロスが少ない仕組みとはいえ、例えばパンは注文に滞りなく応えるべく予備の分も含めて生産するため、どうしても余ってしまう。また青果は、天候によって収穫期にサイズが異なったり、輸送中に傷んだりすることがあるために、多めに仕入れなければならない。

そうした“発生してしまう”予備を、地域の子ども食堂やフードバンク、生活困窮者の支援団体へ提供。既に組合員への配達のためにでき上がっている物流インフラを活用して、最寄りの配送センターで引き取ることができるため、支援現場の負担や運搬費用が低減することも利点。缶詰やレトルト食品など保存性の高い食品が多いなか、新鮮な青果やパンは、安心・安全なおいしさが喜ばれている。


【お問い合わせ】
パルシステム生活協同組合連合会


●情報は、『FRaU SDGs MOOK 話そう、気候危機のこと。』発売時点のものです(2022年10月)。
Illustration:Masako Kubo Text & Edit:Shiori Fujii