「おかんこを頂戴する」の意味とは? 日本全国に存在する「性」隠語が示すこと

「性」の近代日本誌(5)

「おかんこを頂戴する」

前回「100年以上前の『発禁小説』に見る、『性』の大転換」では、森鷗外の小説「ウィタ・セクスアリス」を中心に考えを進めてみました。

その最後で、小説の主人公金井しずかが11歳の時(1876年)のエピソードを引用しました。

「おかんこを頂戴する」という「奇妙な詞」を寄席で聴いたという経験です。

最新版(2022年)の岩波文庫では「おかんこを頂戴する」に注がついています。それによると、この「奇妙な詞」はこう理解されるもののようです。

「「かんこ」は女性器の隠語。全体で性的関係を意味する。」(『ウィタ・セクスアリス』43頁)

注の表現自体、「性=sex」というシステムでの説明となっていることがまずわかります。現時点で解説するのですから当然と言えば当然ですが。

また、いまですと「エッチする」という表現で説明もできるはずです。しかし、「エッチする」を使わないのもポイントかも知れません。学術的に説明しないといけないからなのでしょう。