サステナビリティへのシフトといっても考え方や取り組む姿勢には様々な形があります。未来を見据えたデザイナーたちの思いから、会社を巻き込んでのポジティブな改革まで、これからの服について話を伺いました。

RON HERMAN
根岸由香里

自分たちだけが変わるのでなくみんなで前を向いて進むこと

業界に先駆けてサステナビリティに取り組み、セールの廃止、ソーラーシェアリングの発電所の新設など数々の改革を行ってきたロンハーマン。昨年5月にサステナビリティの公約を発表して約1年、6月の展示会でその歩みと成果を発表した。

 

「前シーズンからセールをなくすと同時に、買い付ける量と作る量も25%ほど絞っていますが、自分たちの時間軸できちんと売っていくことでプロパー消化率80%という公約を達成。利益は今まで以上に出ています。CO₂排出量は1年で1940トンから1580トンまで削減。自分たちが変わることで、社会に対して良いインパクトを与えられたらというポジティブな思いでやっています」

古着のデッドストックのサーマルにメッセージプリントを施し、新たなアイテムとして着る楽しさを提案。オーガニックコットンのハイウエストデニムは付属に再生可能なアルミを採用した。Tシャツ¥20900、デニム¥31900(RHヴィンテージ/ロンハーマン☎0120-008-752)

生き生きと楽しそうに話す根岸さんの表情が、よりよい未来を象徴しているように思える。一方ファッションにおいては3つの取り組みを行う。

「まずは私たちでできること。2025年までにオリジナルアイテムの主要素材をサステナブルなものに置き換える。例えば、定番のデニムをオーガニックコットンに、リベットなどの付属を真鍮からアルミに置き換えました。一番の理想は長くはいてもらうこと。はけなくなった時でもリサイクルしやすい素材に。2つ目は〈オーガニック・バイ・ジョン・パトリック〉や〈CFCL〉など同じ志を持つブランドとの協業。3つ目は長いお付き合いのあるブランドとの新たな取り組みで〈アカネウツノミヤ〉〈オーラリー〉などと残反を使ったコレクションを展開。大切なのは自分たちだけが変わるのではなく、一緒に同じ方向を向いていけるようになること。もちろんファッションなので根本はワクワクやドキドキであるべき。その背景にビジョンがあることを自然な形で伝えたい」

根岸由香里
ねぎし・ゆかり/1977年栃木県生まれ。文化服装学院卒業。セレクトショップの企画、バイイングを経て、2008年、ロンハーマン日本1号店立ち上げ時にサザビーリーグへ。16年よりロンハーマン事業部事業部長兼ウィメンズディレクター。