プーチンはもう詰んでいる…苦し紛れの「動員令」「4州併合」「核による脅し」それでも大局は変えられない

9月の後半、ロシア・ウクライナ情勢が大きく動いた。

プーチンは9月21日、「部分的動員令」を出した。続いて9月30日、ルガンスク州、ドネツク州、ザポリージャ州、ヘルソン州併合に関する条約に署名した。

なぜ、プーチンは、国民の反発を覚悟して、動員を決断したのか? なぜ、国際社会の批判を無視して、4州併合に踏み切ったのか?

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ハリコフ州での大敗

先月の記事にも書いたが、プーチンは最近まで「停戦交渉派」だった。

参照)ロシア軍疲弊で「日和るプーチン」が支持基盤の保守愛国勢力に見限られる可能性

たとえば、プーチンは9月16日、ウズベキスタンでインドのモディ首相と会談した際、「私たちは全てをできるだけ早く終わらせたいと思っているが、ウクライナ側が交渉を拒否している」と語っている。

トルコのエルドアン大統領は9月16日、同じくウズベキスタンでプーチンと会談した際の印象について、「彼はできるだけ早くこの戦争を終わらせる意思があることを、実際に私に示した」と述べた。

このように、プーチンは「停戦交渉派」だったが、彼の要求は、ゼレンスキーにとって受け入れがたいものだった。

 

ロシア側の停戦条件は、

1)ウクライナがクリミアをロシア領と認めること
2)ルガンスク人民共和国、ドネツク人民共和国の独立を認めること
3)ヘルソン州、ザポリージャ州をロシア領とすること

などだった。

では、プーチンは、なぜ「強硬派」が長らく主張していた「動員」を発令し、「4州併合」に踏み切ったのだろうか?

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