国民的女優・泉ピン子さんの連載がスタート。人生相談や時節を感じさせるテーマなどをピン子さん流のユーモアを交えながら、ざっくばらんに語っていただきます。「人生、いい日もあれば悪い日もある」とピン子さん。豊富な経験に裏打ちされた人生トークをどうぞお楽しみに。第3回のテーマは「初めて語る、選挙の話」。

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撮影/田上浩一
 

石原慎太郎さんの「何かを変えてくれそう」なパワー

“団塊の世代”って言葉、今の若い人たちはもう、知らない人も大勢いるんじゃないかな。1947年から49年の間に生まれた、第一次ベビーブーム世代のことを指すんだけど、9月に75歳になった私は、まさにその世代。とにかく、出生率が高かったんです。その子供たちも“団塊ジュニア”なんて呼ばれて、子供が多かったはずなのに、いつからか少子化に歯止めが効かなくなっちゃった。今は税金ばかり取られて、若い人たちの収入が増えないから、日本の未来はどうなっちゃうんだ、と。コロナ禍ということも重なって、日本人のほとんどが、閉塞感みたいなものを感じていますよね。

そういう意味では、私たち団塊世代は、「働き盛りの時期に、経済が右肩上がりだった、高度成長期を体験できてよかったですね」なんて言われることもあるけど、私が初めて選挙に行った55年前から、「今の政治は変えなきゃダメ!」ってずっと言われてきたんです。「ここに投票しておけば絶対安全」なんて時代は一度もなかった。
「この人に投票しよう!」と、はっきりとした意思を持って投票に行った記憶があるのが、石原慎太郎さん。作家から政治家に転向してしばらく経ったときだったと思うんだけど、当時は、石原裕次郎さんのお兄さんというイメージの方が強かった。話もうまくて、「この人なら日本を変えてくれるかも」と、一気に引き込まれました。

見た目も言うことも立派で、カッコ良すぎて危なっかしいんだけど、「何かを変えてくれる」っていう風を感じました。今は、若い人が選挙に行かないっていうけど、今の時代はとくに、政治の世界に、「何かやってくれそう」って感じさせるような大物がいないことも大きいのかな。