高齢者が「食費を切り詰めた」ときに起きる「思いがけない悲劇」をご存知ですか…?

【前編】「65歳のFPが「高齢者の食費月1万円」という「節約標語」に、危うさを覚えるワケ」の記事では、康男さん(82歳、仮名)と多佳子さん(80歳、仮名)のご夫婦が、FPである著者のもとに、食費を減らすことについて相談に訪れた事例を見た。だが、高齢者の食費を減らすことには、さまざまなリスクがともなう。以下でより詳しく見ていこう。

写真はイメージです〔PHOTO〕iStock
 

令和の時代に、栄養失調になった

私の知り合いの高齢者で、この飽食の時代に栄養失調になった方がいる。80歳代になり膝が痛くてあまり歩けなくなってから、運動不足と痛み止めの薬を常用したせいで胃が不調になり、食欲が目に見えて落ちて、自分の好きなものしか食べなくなった。しかも少量。そのうち、歩かない→食べられない→意欲低下→動けないの悪循環でとうとう食事が取れず入院した。

お医者さんに言われたのは「栄養失調」。入院して点滴のおかげで命は取り留め、高齢者向けの高カロリー飲料などで栄養状態は少し改善したが、状態が一度悪化すると、筋力や体力の低下だけでなく認知症が進んでしまい、そのまま介護生活になった。食欲をなくして食が細くなるだけで、どんどん表情が失われ、ビックリするほど短期間に老いは進む。

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