幸せそのものの結婚生活だったのに

「それから10年の結婚生活は、幸せそのものです。妻は専業主婦になり、お互いに感謝をし合って生きてきました。妻は僕の誕生日に、“今年もみっくん(光雄さんのこと)とお祝いできて幸せ。愛している”とカードをくれます。子供は娘だけですが、勉強ができてとても明るい。妻と娘を守り、やがて娘が巣立ったら、妻とおだやかな生活を送ることを楽しみにしていたのに」

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そう言って、こらえきれない涙がこぼれる光雄さん。妻の浮気を確信したのは、体に不調があり皮膚科に行ったこと。

「あるとき、口の周りに赤いできものを見つけたんです。僕は家族のためにも異変があるとすぐに受診をするようにしているので、皮膚科にかけ込むと“これは、梅毒だよ”と言われました。梅毒は性的な接触により感染する病気です。医師に“性交渉以外で感染することはありませんか?”と聞いたところ、“母子感染以外はあまり聞かないね”と言われたのです。目の前が真っ暗になりました」

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光雄さんの症状は軽いために、3週間程度の投薬治療になったそうです。そして、その足で私たちのカウンセリングルームにいらしたそうです。

「この連載を楽しみに読んでいて、まさか自分が山村さんにお世話になるとは思っていませんでした。浮気で離婚、慰謝料とか、そういうことではないんです。裏切られたとも思っていないし、“なんでこんなことに”という絶望の方が大きい。妻の浮気はすでに確定しているのですが受け入れがたいし、信じがたい。どんなことが起こっているのかを調べてください。その上で今後のことを考えます」

そう言い切った後、「パパとママの間で、こんなことが起こって娘に申し訳ない」と吐くように泣いていました。
私は、「夫婦って、いろんなことがありますから、そんなに考えすぎなくてもいいですよ」と申し上げましたが、その声は耳に届いていないようでした。

◇梅毒になったことで妻の浮気を確信した教員の男性。果たして妻の浮気の現状は…そしてその後の夫婦は。詳しくは後編「梅毒を夫に移した「おとなしい妻」調査で分かった「同級生ハンター」の手腕」にてお伝えする。