道ですれ違っても、振り返る人はほとんどいない。それほど自然なお姿で悠仁さまは登校している。だが、よからぬ思いを抱く者が一人でもいたら・・・。「平和ボケ」ともいえる護衛の甘さに警鐘を鳴らす。
友人たちと談笑しながら
その急な坂は、地元の人たちからコクリコ坂と呼ばれている。コクリコとはフランス語で「ひなげし」を意味する。もっとも、坂にひなげしの花が咲くわけではない。道の両側はコンクリートの高い壁になっており、緑深く苔むしているだけだ。坂の名は、中腹にある洋食屋「コクリコ」からつけられたものだ。
そんな洒落た名前の坂を通って筑波大学附属高校の生徒たちは登下校する。9月28日午前11時前、坂の上の校門から次々と生徒が出てきた。この日は前期の期末テストが行われたので、下校時間が早まっていたのだ。
高校生の集団に混じって、二人の屈強な男性が歩いている。そしてその20mほど先を、3人の男子生徒が楽しそうに話しながら坂を下っている。テストが難しかったことや、明日の試験範囲のこと、試験後の秋休みの予定などを語り合っているのだろうか。

「じゃあね~!」
坂を下りきったところで、2人の生徒は音羽通りを地下鉄の護国寺駅のある方向へ曲がった。他の生徒たちも皆、そちらに向かって帰っていく。