ちなみに荒金さんに加害してきた児童は、年に一度の帰省でお年玉としてもらったであろう一万円を荒金さんに差し出し、行為に対する謝罪と和解を申し出てきたそうだ。
「表面上の和解はできても友情は一度壊れるともとに戻りません。子供にとってけっして安くないお年玉の1万円を差し出して和解を求めてしまうほど、性被害は被害児童だけでなく、加害児童にも心の傷を負わせてしまいます」
加害児童もある意味、抑圧された環境で追いこまれた被害者なのだろう。
荒金さんが強調していたのは「児童養護施設の職員も性の話に慣れておらず、性の話から距離を置いてしまっています。児童から被害の訴えがあったときはしっかりと受け止め、まじめに性が語れる環境になってほしい」とのことだった。
施設内であろうと家庭内であろうと職場内であろうと、場所と人間関係を問わず、性暴力は人権侵害であるし、プライベートパーツの知識も重要だ。これらが早く一般的に学べる環境になってほしい。
早すぎる性教育は性行動を早めたりしないし(そういう調査結果が出ている)、知らないうちにひと通りのことは自然に覚えちゃうわけではけしてない(それはおそらくポルノ情報の割合が多い)。
これまでおもしろおかしく過激に性を取り扱っても、真面目に取り組んだ正確な性の情報が少なすぎた。だからこそ性についての教育は積極的になされていくべきだと思う。