11月1日から首都圏の小学校受験が始まる。
伝統校や大学付属校人気校は軒並み10倍以上という高倍率をマークしている。一部の学校が公表している2022年の入試実績を見ると、最も高いのは慶應義塾横浜初等部の14倍、早稲田実業初等科の13倍、慶應義塾幼稚舎は11倍と狭き門であることがわかる。

キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「中学受験以上に“親子の入試”と言われる小学校受験は、家庭にかなりの負荷がかかる。その結果浮気などでストレスを発散しようとし、離婚につながることもあります」と語る。彼女は浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の代表だ。

今回山村さんのところに相談にきたのは、派遣社員の女性。彼女は、結婚12年になる医師の妻であり、「12歳の息子の親権を主人に取られたくない」と相談に来た。この連載は、調査だけでなく、調査後の依頼者のケアまで行う山村氏が見た、現代家族の肖像でもある。

山村佳子
私立探偵、夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリングを持女性探偵として注目を集める。テレビやWEB連載など様々なメディアで活躍している。
リッツ横浜探偵社:https://ritztantei.com/
山村佳子さん連載「探偵が見た家族の肖像」これまでの記事はこちら
 

温かいお茶を出してだけで泣き出した40歳の女性

今回の依頼者は、派遣社員として働き始めたばかりという美和さん(仮名・40歳)。目鼻立ちがくっきりしており、色白で骨格が整っており、芸能界の人と間違えられることもあるという。
しかし、よく見ると、髪の根元から3センチほど白髪になっており、やつれている。かなり精神的に参っている様子が伝わってきました。温かいお茶を出すと、湯飲みを両手で抱えるように持ち「誰かにお茶を出していただくのは久しぶりです」と言います。そして大きな声で泣き出しました。

温かいお茶を誰かに出してもらうことが久しぶり…Photo by iStock

美和さんはカバンからタオルを出し、顔を覆うように嗚咽をし、5分くらい泣き、落ち着いてから私のところにきた経緯を話し始めたのです。
「そもそも、小学校受験がすべての発端だったのです。いや……そもそも、私が全て悪いというか」と会話の口火を切ったので、私は「あなたは悪くありません。自分のことは絶対に責めないでください」と言いました。

「私が悪い」という発言の背景に、モラハラの可能性があります。対人関係の強者側から、貶められたり攻撃受けるなど精神的な暴力が続いた結果、自分を卑下する発言をしてしまう傾向が強いのです。まずは、夫婦のなれそめを伺いました。

「主人と私が出会ったのは13年前、私の地元の四国です。当時、私は信用金庫に努めるOLで、主人は医大生でした。そのときに、合コンというか……あの、芸能人に女性をあっせんしていたガーシーっているじゃないですか。ああいう人がウチの地元にもいて、芸能人、スポーツ選手、経営者、政治家などが地元に来た時に、それなりに容姿が整った子を、飲み会に集めていたんです」

美和さんはその男性と親しく、「〇〇が来たから、飲みに来てよ」と10代の頃から誘われていた。ときには性的な関係になることもあったという。

「25歳を過ぎると有名人の飲み会に誘われなくなるんです。せいぜい、会社社長とかお医者さんとかその程度になってくる。そんなときに、医大生の飲み会に呼ばれて、“ここにいる人と結婚したい”と決意し、主人に出会ったのです」