宇宙の謎をパズルで解く「風変りな大物」が出題! この問題、解けますか?

直観を裏切る3問

直観に反する宇宙にどう立ち向かうべきか?

宇宙はどのように始まったのだろう? 宇宙が始まる前はどうなっていたのだろう? 宇宙の最後はどうなるのだろう? 誰もが抱くこうした疑問に、古代ギリシアの昔から21世紀の現在まで、多くの物理学者たちが知恵のかぎりを尽くして挑んできた。しかしその結果、わかってきたのは、宇宙はあまりにも人間の直観に反しているということだった。なにしろ空間や時間は歪んでいて、光は波でもあれば粒子でもあり、物質の最小単位は「ひも」かもしれないというのだ! 

このような厄介な宇宙に、私たちはどう立ち向かえばよいのか? 宇宙のなりたちを解明する究極の理論の候補とされる「超弦理論」の確立に大きな貢献をしたカムラン・バッファ氏は、こう言っている。

「理論物理学者の仕事は、難解な問題を単純なパズルに分解して解くことだ」

なんと宇宙の謎は、パズルを解くことで解き明かせるというのだ。

バッファ氏は米国ハーバード大学で300年の歴史をもち、過去に数えるほどしかいない「ホリス数学・自然哲学教授」でありながら、現在も理系の1年生に物理学・数学を教えているが、その講義では実際に、パズルが使われている。毎回の授業は、宿題のパズルの答えを学生が発表することから始まる。バッファ氏はそれを批評したあとで、そのパズルが物理学や数学、ひいては宇宙の謎とどう結びついているのかを解説する。講座の最後の課題は、学生がオリジナルのパズルを考案することだという。

【写真】カムラン・バッファ氏カムラン・バッファ氏

本記事では、こんな型破りなバッファ氏の講座で出題されているパズルの中から、とくに直観に反しているものを選んで特別に公開する。どの問題もかなり歯ごたえがあるが、ハーバード大学の1年生になったつもりで挑戦してみてほしい。

パズル1「地球のベルトを1mゆるめたら?」

【パズル1】地球の赤道のまわりに、巨大なベルトをきつく巻いたとしよう。そのベルトの長さを1m延ばす。すると、ベルトは地表からどれだけ浮き上がるか? 下に紙を通せるだろうか? ネズミなら? 高層ビルなら?

【イラスト】地球のベルトを1mゆるめたら?

【ヒント】まずは直観のおもむくままに、およその答えの見当をつけてみてほしい。そのあとで、直観には一切頼らず、地球の半径をRなどとして、地道に計算してみてほしい。導きだされた答えにきっと、あなたは驚くはずだ。

さらに、もし数学にいささか自信のある方は、ベルトを全方向に一様に持ち上げるのではなく、1ヵ所だけに集中させて引っ張り上げると、どれだけ高く持ち上げられるかも計算してみてほしい。微積分も必要になるので少し難しい計算になるが、その答えはさらに驚くべきものとなるだろう。

このパズルは、私たちが住んでいる世界がいかに直観に反したものであるかを示す好例である。