「きょうの健康」(Eテレ)で話題の、
「プチ断食で友達は成功しているのに、なぜ、
努力が実らないのは、
「何を」「どう」食べるかだけでなく、「
地球のほとんどの生物は、
第4回目は、なぜ、体内時計が乱れると肥満をはじめ、がん、
夜、食欲にブレーキがかからなくなる
朝食抜きのツケは、主時計とのあいだにずれを生じさせてしまうだけではありません。夜の食欲という“落とし穴”も待ち受けています。
体内時計は食欲もコントロールしており、遅い夕食やその後の夜食が常態化すると、食欲は猛烈に高まりやすいという特徴があります。これは、満腹中枢を刺激し、食欲にブレーキをかけるレプチンの働きが低下するためです。まさに夜は“魔の時間帯”なのです。

朝食をとらない人は、全体的に活動の時間帯が夜の方向にずれる傾向があり、食事の時間も夜の遅い時間になりがちです。そうすると、なかなか満腹感が得られず、食べすぎてしまうのです。
なかでも注意したいのは、夜食。学生のレポートの課題でも、仕事の残業でも、夜遅い時間になるほどチョコレートやポテトチップスに手が伸びていきます。毎晩のように夜食のカップラーメンを食べたくなるのも、実は体内時計によって説明できるのです。
カップラーメンの正体は、糖質と脂質が中心ですが、夜は、ドーパミンが分泌されやすく、この糖質や脂質に対してやみつきにさせます。夜食で食べるカップラーメンのめんと脂っこいスープがなんとも言えず、胃の中にしみ込んできて幸福感で満たされるのは、ドーパミンによる作用だったのです。
ドーパミンは快楽物質といわれ、喜びを感じさせてくれる脳内物質です。何かをやり遂げたときなどに分泌され、達成感や満足感をもたらしてくれるので、これをもう一度味わいたいために、次の目標に挑戦するときのモチベーションにもなります。
一方で、ドーパミンは依存にもかかわっています。ギャンブルや買い物、アルコール、薬物などによって、気分が高揚すると一気にドーパミンが分泌され、その快感がやめられなくなっていきます。やめたくてもやめられない、これが嗜癖や依存の状態をつくります。
健康によくないことがわかっているのに、ついつい夜食にカップラーメンやピザ、脂っこいお菓子などを食べてしまうのも、夜、ドーパミンを多く分泌する体内時計が糸を引いているということです。