2022.10.20
# ダイエット # ライフ # 健康寿命

夜のカップラーメンはなぜ昼間食べるよりうまいのか――快楽物質の罠

脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさい④

「きょうの健康」(Eテレ)で話題の、時間栄養学会会長の柴田重信先生アドバイス第4弾!
「プチ断食で友達は成功しているのに、なぜ、私だけやせられないの?」「朝はサラダだけでトレーニングもしているのに健康診断の結果がイマイチ…」
努力が実らないのは、実は体内時計に合ったダイエットをしていないからです。
「何を」「どう」食べるかだけでなく、「いつ食べると太りにくいか」「いつ運動するとやせやすいか」という知識があれば、あなたはより楽に効果を実感できるでしょう。
地球のほとんどの生物は、24時間の自転に合った時計を体内に持っています。だから、脂肪のたまりやすい時間、筋肉のつきやすい時間、眠くなる時間、体温や血圧の上がり下がりや元気になる時間も24時間で変化しています。柴田先生が、健康のための新習慣を『脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさいでわかりやすく具体的に紹介しています。
第4回目は、なぜ、体内時計が乱れると肥満をはじめ、がん、高血圧症、糖尿病、動脈硬化、うつ病、認知症などなど、体への悪影響があるかについて解説します。

夜、食欲にブレーキがかからなくなる

夜食のカップラーメンは、なぜ昼間食べるよりうまいのか

朝食抜きのツケは、主時計とのあいだにずれを生じさせてしまうだけではありません。夜の食欲という“落とし穴”も待ち受けています。

体内時計は食欲もコントロールしており、遅い夕食やその後の夜食が常態化すると、食欲は猛烈に高まりやすいという特徴があります。これは、満腹中枢を刺激し、食欲にブレーキをかけるレプチンの働きが低下するためです。まさに夜は“魔の時間帯”なのです。

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朝食をとらない人は、全体的に活動の時間帯が夜の方向にずれる傾向があり、食事の時間も夜の遅い時間になりがちです。そうすると、なかなか満腹感が得られず、食べすぎてしまうのです。

なかでも注意したいのは、夜食。学生のレポートの課題でも、仕事の残業でも、夜遅い時間になるほどチョコレートやポテトチップスに手が伸びていきます。毎晩のように夜食のカップラーメンを食べたくなるのも、実は体内時計によって説明できるのです。

カップラーメンの正体は、糖質と脂質が中心ですが、夜は、ドーパミンが分泌されやすく、この糖質や脂質に対してやみつきにさせます。夜食で食べるカップラーメンのめんと脂っこいスープがなんとも言えず、胃の中にしみ込んできて幸福感で満たされるのは、ドーパミンによる作用だったのです。

ドーパミンは快楽物質といわれ、喜びを感じさせてくれる脳内物質です。何かをやり遂げたときなどに分泌され、達成感や満足感をもたらしてくれるので、これをもう一度味わいたいために、次の目標に挑戦するときのモチベーションにもなります。

一方で、ドーパミンは依存にもかかわっています。ギャンブルや買い物、アルコール、薬物などによって、気分が高揚すると一気にドーパミンが分泌され、その快感がやめられなくなっていきます。やめたくてもやめられない、これが嗜癖や依存の状態をつくります。

健康によくないことがわかっているのに、ついつい夜食にカップラーメンやピザ、脂っこいお菓子などを食べてしまうのも、夜、ドーパミンを多く分泌する体内時計が糸を引いているということです。

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