2022.10.19

「給与増額」が「物価上昇」にまったく太刀打ちできないという“ヤバすぎる現実”…! いまの日本では給料が上がっても生活が潤わない…!

鷲尾 香一 プロフィール

消費者物価指数が急上昇

正社員と正社員以外の平均給与を見ると、正社員は508万円と前年比12万円(2.6%)増額した。20年に同7万円(1.5%)減額していたが、ピークの18年の504万円を4万円上回った。

一方、正社員以外は正社員を上回る大幅増額となった。21年の平均給与は198万円と前年比22万円(12.1%)も増額した。新型コロナウイルス感染拡大の影響から企業活動が回復するとともに、人手不足の影響を受けて大幅に増額した形だ。(表2)

表2

ただ、正社員と正社員以外の賃金格差を見ると、12年に300万円だった賃金格差は19年に328万円にまで拡大、21年に平均給与が22万円増額しても、12年時点までは縮小していない。

それでも、新型コロナを乗り越えて平均給与が回復傾向にあることは喜ばしい限りだが、問題は21年の昇給分を物価高が吹き飛ばし、生活が楽になっていないことだ。たびたびニュースになるため、昨今の物価高の状況の凄まじさはおわかりだと思う。

消費者物価の総合指数は、22年4月から急上昇を開始したのだが、その兆候は20年秋から始まっている。21年9月に総合指数は前年同月比で0.2%上昇し、22年3月に上昇率は1%を超え、同1.2%になった。4月以降は同2%以上の上昇が続き、8月にはついに同3%の上昇となった。

 

消費者物価の代表的指数である生鮮食品を除く総合指数も、22年3月に前年同月比0.8%上昇だったのが、翌4月には同2.1%の上昇に跳ね上がり、その後もジリジリと上昇を続けている。(表3)

表3
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