水道・光熱費も…
ただ、消費者物価の総合指数が上昇を開始したのは、前述のように21年9月からだが、水道・光熱費の物価指数上昇は21年6月から始まっていた。原油・資源価格の上昇により、電気代やガス代などの光熱費は21年6月に前年同月比1.0%上昇すると、その後は凄まじい勢いで上昇を続けた。21年9月には同4.4%、21年12月には同11.2%、22年2月には15.3%、そして3月には16.4%もの上昇となった。
一方で、水道・光熱費の指数が22年3月には前年同月比で16.4%も上昇していたにもかかわらず、総合指数は同1.2%、生鮮食品を除く総合指数は同0.8%の上昇にとどまっている。これは、家計の支出に占める光熱費の割合がさほど大きくないためだ。
もちろん、光熱費の上昇には原油・資源価格の上昇に加えて、円安の進行も影響している。だが、家計を直撃する物価高は明らかに22年3月以降に起こった急激な円安進行の影響が大きい。
生鮮食品を除く食料の物価指数は、21年6月までは前年同月比でマイナスだったが、7月からプラスに転じた。その後、ジリジリと上昇し22年2月には同1.6%まで上昇、3月には同2%となると、6月には同3.2%に、8月には同4.1%まで上昇している。(表4)
