投資にはリスクはつきものです。でも、誰もが「できることなら損はしたくない」と思っているはず。
どんなに念入りに下調べをしても100%利益が出せるとは限らないのが投資ですが、一方で、多くの人が陥る落とし穴があるのも事実。そんな落とし穴を回避するだけでも、投資の勝率はぐんと高まりますよね。
そこで今回は、特に投資初心者がやらかしがちな「あるあるな失敗」3つをまとめてご紹介します!
◆女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」を設立後、これまで多くの相談者さんと向き合ってこられたファイナンシャルプランナー・大竹のり子さんに、お金のギモンをわかりやすく解説いただく連載「『お金の教養』を磨くためのエッセンス」。お金にまつわる知恵をぜひ手に入れてください。
1.予定していた以上の金額を投資に使ってしまう
投資初心者がやらかしがちな「あるあるな失敗」、その1は「予定していた以上の金額を投資に使ってしまう」です。
例えば、「10万円を投資資金として、株式投資に挑戦してみよう」と思ったとします。そして、これからの成長に期待ができそうな企業の株を購入しました。そうしたら、株価がじわじわと上昇して、なんと1ヵ月後に13万円に! そんなとき、多くの人は「もっとたくさん買っておけばよかった」と後悔します。そして「あと10万円ぐらいならいいよね」「定期預金で寝かせておくよりも投資で増やしたほうが賢いよね」と自分に言い訳しながら、気づくと最初に予定していた金額よりも多くの金額を投資に使ってしまうのです。

これには別のパターンもあります。これは私自身の失敗談なのですが、約25年前(そんなに経つなんてびっくり!)、予算5万円と決めて証券口座を開設しました。そして「日本を代表する優良企業の株なら安心だよね」と、トヨタの株をとりあえず5万円分購入。投資家デビューできたことにうきうきしていたところに、あるニュースが飛び込んできました。
そのニュースとは、ユニクロのフリースが大ブレイクして売れに売れている、というもの。「そんなに売れているならこれから株価がさらに上がるはず! これは買わないと損!!」「1日も早く買わないと損!!」と、お昼休みに急いでランチを食べて、オフィスの近くのATMに走り、追加で10万円を証券口座に振り込み、ユニクロの運営企業であるファーストリテイリングの株を購入したのです。
結果どうなったかと言いますと、ハイ、ご想像の通りです。ファーストリテイリングの株価は、私がそのニュースを耳にしたときがまさにピーク。そこからずるずると下がっていき、私の株式投資デビュー2戦目は散々な結果で終わったのでした。
株式投資に限らず、投資で損失を小さく抑えるためには、「投資に使ってもいい予算をしっかりと決めること」、そして「一時的な感情で予算を引き上げない」ことがとても大切。裏を返せば、損失の最大額は、予算によってコントロールすることができるのです。チャンスに目がくらんで予定していた以上の金額を投資に使ってしまうのは禁物です。