「田中みな実さんが美容に時間をかけるように、メンテナンスで力を入れるのは原稿の加筆修正」
「やり残したことがない状態で死ぬ方が絶対に楽しい」
等々、名言が次々飛び出しているジェーン・スーさんと伊藤理佐さん対談。
ふたりは4歳差で年代も近く、それぞれ「美ST」「VOCE」という美容雑誌に連載を持っている。さらにそこに連載されていたコラムや漫画エッセイが『きれいになりたい気がしてきた』『女のはしょり道』の5巻、それぞれ発売となったばかり――そんな共通項の多いお二人のノンストップ対談後編では、美容雑誌連載陣らしく「きれい」をテーマとしてたっぷり語っていただく、はず……。
構成/上田恵子

ボディポジティブに殺される?
ジェーン・スー(以下、スー)今、インスタで海外のプラスモデルさんたちばっかりフォローしてるんですけど、彼女たちを見た後に日本のモデルさんを見ると、「ちゃんとご飯食べてる!?」みたいな気持ちになっちゃって。脳がおかしくなってます。目を慣らすと全然変わってくるというか、今までムダな肉だと思っていたところが全然そう見えなくなってきて。
伊藤理佐(以下、伊藤) お尻も大きいほうがいいしね。
スー そうそう。でも、そんなことを言って調子に乗ってたら、人間ドックで「脂肪肝」と診断されました。ボディポジティブに殺される!(笑)自分らしい大きな体にようやく腹がくくれたと思ったらこれですよ。「50過ぎたら痩せてても脂肪肝になる人もいるよ」なんて友達から言われて、「結局すべて加齢か!」と腹が立つ。痩せていようが太っていようが、私は私の体が好きって言っていたいのに。

伊藤 うちは吉田(夫で漫画家の吉田戦車さん)が食事を仕切ってるので、普段は「日本兵が出したロシア兵のご飯」みたいなメニューが食卓に並んでます。
スー なんですかそれ?
伊藤 苦労してロシア兵にきんぴらを作ってあげたら、「こんな木の根っこを食わせやがって!」って処刑されちゃった話。吉田さんも心を込めて料理を出してるけど、肉が少ないんですよ。もっと肉が欲しいです。美味しい唐揚げを作ってくれても、圧倒的に量が足りない。
スー それ、たとえ話を変えたほうがいいですよ。処刑の話がかわいそうで、あとの話が入ってこない(笑)。
伊藤 吉田さんが日本兵に似てるんです(笑)。まあその料理のおかげで健康にはなっているので。彼が血圧が高いので塩分控えめですが、娘はそこに塩を入れたりして自分で調整してます。私もちょっと体重は重いものの、人間ドックも問題なし。とはいえ、わが家はお酒を飲むので、そこまで気を遣ってもプラマイゼロなんですけど。
スー どれくらい飲むんですか?
伊藤 今は夫婦で毎晩ワイン1.5本くらいですかね。前はもっとひどかった。ビールで下地を作ってから、ワイン3本空けてましたもん。
スー すごく飲むんですね! 私は下戸なんで。
伊藤 家の中に空き瓶がゴロゴロありました(笑)。