なぜ「揚げ鍋」を作ろうと思ったか

「いい道具は、料理をらくにしてくれます。そして楽しくしてくれます。しなくては…ではなく、したいと思わせてくれる力があります」
キッチン道具を作る仕事もしている有元葉子さんが、20年前に刊行した著書『有元葉子の道具選び』(幻冬舎)の中で語った言葉だ。

よい台所道具は手に取りやすく、気持ちよく使える。物事が滞りなく進むのは気持ちがよいから、料理が楽しくなる。それが道具本来のあり方だと有元さんはいう。
そんな有元さんが一から商品開発する「la base」は、SNSや通販サイトのレビューでも「スタイリッシュで美しいだけでなくものすごい使いやすく考えられていて掃除もしやすい」「本当に便利だと思う」「全てがこうなればいいのに」などと話題だ。

 

「la base」のウェブサイトを覗いてみると、台所になくてはならない「ボウル」「ザル」「へら」「まな板」「包丁」「フライパン」と並んで、「鉄揚げ鍋セット」というのがあった。

揚げ物は「やらない」という家が多い。やっている家でも「揚げ鍋」は持たずにフライパンで代用するのが、今は主流だ。国民的料理番組でもフライパンを使って揚げる。そんな中、なぜ有元さんは「揚げ物用の鍋」を作ろうと思ったのだろう。
有元さんに聞いた。

la baseの道具が並ぶ台所。写真:『ちゃんと食べてる?』より