だれも真似できない「防止ネット」の秘密
「揚げ物ははねるのが怖い、やった後コンロが汚れるという声もあります。そのために『はね防止ネット』を作りました。
市販のものと何が違うかというと、ネットが黒色なのです。黒いネットはかぶせても中がよく見えます。
普通のステンレス製はかぶせてしまうと中が見えにくいんですね。だから心配になって途中でネットを開けたり、いじったりしてしまう。中がよく見えれば、安心して触らずに出来上がるのを待っていられます」。


ステンレスのシルバーだと見えない、黒なら見える。それなら他の会社も黒にすればいいと思うのだが、そうできない理由があった。
「ステンレスを黒く染めるには、高い技術と手間がかかるそうです。試作の途中で職人さんが『黒だったら見えるんですけどね、高くなっちゃうからふつうは使わないんですよ』って話すのを聞いて、だったら黒にしてくださいと言いました。
実をいうと、市販の揚げ鍋との値段の違いはここにかかったというくらい、お値段が違いました。でも安く作ってそのせいで使いづらくなるのなら、私が作る意味がありません。それに調理道具は少しでも不満があると、結局使わなくなってしまうと思うんです」