【問題】「性」という字を使わずに「セックス」に漢字を当てなさい

「性」の近代日本誌(6)

「セックス」に漢字を当てるなら?

さて、いきなりですが、実は、忘れていたことがありました。

「性=sex」という等式が成り立っていなかったとき、つまり、「性≠sex」だった時、「セックス=sex」やセックス的現象はどんな「字」、どんな漢字でとらえられていたのでしょうか。そのことについて押さえていませんでした。

今回は、簡単にそこをたどりましょう。

まず、「性=sex」という等式が成り立っていなかったとき、というのがいつごろまでだったのかを考えておきたいと思います。

おおよそですが、1900年以前を指すといっていいと思います。ですから19世紀までは、「性≠sex」だった、20世紀に入って「性=sex」となった、と大雑把に図式化できると考えています。

ですから前々回前回とふれた森鷗外の「ウィタ・セクスアリス」は「性=sex」成立初期の小説なのです。

もう一つ地域の問題もみておきましょう。

19世紀には、漢字文化圏は、現在の東アジアと重なっていました。地域的には、その当時の漢字文化圏として、清、朝鮮、沖縄、日本があった、と言えるでしょう。そこでは、押しなべて「性≠sex」だった、と言っていいと思います。

とすると、「性=sex」はどこからスタートし、どう拡散していったのか、ということも重要そうですね。このことは、別な形で語ることができれば、と思っています。

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