2022.11.11
# 自動車 # EV

「自動車業界の『ユニクロ』を目指す」…将棋AIの天才が、EVメーカーを創業した理由

TURING 山本一成氏が語る #1

強豪企業にどう立ち向かうのか?

「テスラを追い抜く(We overtake Tesla)」――そんな果敢なスローガンを掲げて自動運転EV(電気自動車)の開発に取り組む日本のスタートアップ企業がある。

大学や研究所、先端企業などがひしめく千葉県・柏の葉エリアに本拠を構える「TURING(チューリング)」。同社は、かつて将棋「電王戦」で佐藤天彦名人(当時)に勝ったAIソフト「Ponanza(ポナンザ)」の開発者として知られる山本一成氏が、自動運転研究者の青木俊介氏とともに2021年に立ち上げた会社だ。

2022年10月、AI自動運転走行による国内初の北海道一周長距離走行実証を行った(写真:TURING)
 

TURINGは単なる自動運転やEVの技術開発ではなく、いずれは年間100万台以上のEVを量産する完成車メーカーを目指す。現在、EV売上首位の米テスラに狙いを定めた冒頭のスローガンには、その思いが込められている。これに向けて今年7月には、日本のベンチャーキャピタル(VC)などから総額10億円の出資を受けた。

しかし世界的なEVブームが巻き起こる今、そのテスラを筆頭に中国や欧米などの大手自動車メーカーがすでにEVを量産し、世界市場での足場を固めつつある。

また自動運転では、グーグルの親会社アルファベット傘下の「ウェイモ(Waymo)」などハイテク企業が、米サンフランシスコ市街地で無人運転タクシーの試験サービスを開始するなど、商用化に向けた準備を着々と進めている。

これら先行する一群の強豪企業に、巣立ったばかりのスタートアップTURINGはどう立ち向かっていくのか? その戦略や意気込みを、同社CEO(最高経営責任者)の山本氏に聞いた。

やまもと・いっせい 1985年生まれ。愛知県出身。東京大学での留年をきっかけにプログラミングを勉強し始める。その後10年間コンピュータ将棋プログラム「Ponanza」を開発、佐藤天彦名人(当時)を倒す。東京大学大学院卒業後、HEROZ株式会社に入社、その後リードエンジニアとして上場まで助力した。現在、名古屋大学特任准教授・愛知学院大学特任教授も兼任。
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