2022.11.23
# 本 # 音楽

映画『母性』の原作者・湊かなえさんが、ラジオ番組『湊かなえのことば結び』で見せた「意外な素顔」

映画『母性』が公開となった。戸田恵梨香さんが「娘を愛せない母」、永野芽郁さんが「母に愛されたい娘」を演じるミステリードラマだが、緊迫感のある作品と原作者・湊かなえさんの人柄には意外なギャップがあるようで……。映画公開に合わせ、FM大阪でオンエアされたラジオ番組をまとめた書籍『湊かなえのことば結び』の著者インタビューをお届けしよう。

「子どもっぽい」自分の声が嫌いだった

――'20年6月から'22年3月まで、FM大阪で放送された「湊かなえのことば結び」をまとめられた本ですね。ラジオのパーソナリティを務めることになったきっかけは何だったのでしょう。

母校の武庫川女子大学がスポンサーのラジオ番組の依頼を受けたのですが、初めは断ろうと思っていました。30分の番組を引っ張っていく自信もないし、なにより「子どもっぽい」と言われることが多い自分の声が嫌いだったからです。

でも、新型コロナウイルスの蔓延でサイン会なども開催できなくなり、読者の方々と交流することができなくなった。そうした状況の中で、電波を通して人とつながることがしたい、と思い引き受けることにしました。

角川春樹事務所HPより
 

――番組では「みんなで短編小説」や「ことば結びパレット」など、様々な形でリスナーの方々の文章を募集していました。こうした試みは、全て自分で考えたのですか。

そうです。せっかく小説家がパーソナリティをやるので、番組をきっかけに文章を書いてもらうコーナーを作りました。「みんなで短編小説」では単に小説を書いてもらうのではなく、まず私がプロローグを用意して、それに続ける形で書いてもらいました。テーマは「8回生まれ変わったわたし(猫)とあなた(人)の物語」で、字数は2000字。肝心の投稿がないと番組は成立しないという不安もありましたが、第1回の応募に21作も届いた時に「これでいける!」と思いましたね。

――投稿作品のクオリティの高さにも驚かれたようですが。

びっくりしました。長い文章を書くのは初めてという方もいましたが、作品に対して一つアドバイスをすると、次にはそれを活かして書いてくれるんです。「スマホで書いていたけど、もっとしっかり書きたくて、ノートパソコンを買いました」といったメッセージも嬉しかったですね。優秀作は角川春樹事務所の『ランティエ』に掲載されたのですが、プロの作家の作品と並べても遜色ないと思いました。

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