2022.11.04
# 相続税

今ならまだ間に合う…!数百万円もの節税が可能になる「暦年贈与」の賢い使い方

このままでは使えなくなるかも

【前編】ついに「暦年贈与」が終了へ…!12月までに必ずやるべき相続対策では、「生前贈与」の大幅な制度変更について紹介した。では、具体的にどうすれば、相続税を減らせるのか。

数百万円の節税が可能

政府が暦年贈与を規制し、精算課税制度に誘導しようとしていることは明らかだ。その背景には、もちろん国民に対する課税強化がある。

「あるいは今回の税制改正で、子や孫の贈与については暦年贈与を廃止して、すべて精算課税制度にするという可能性も考えられます。精算課税制度では生涯にわたって贈与された金額が累積され、それらに相続税が課される。マイナンバーが普及し、銀行口座とも紐付けられつつあります。いずれ政府が国民の贈与の記録を簡単に捕捉できるようになったら、確実に相続税を徴収できるようにしたいのでしょう。

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生前贈与に対する課税を強化したいという政府の方針は明らかです。逆にいえば、暦年贈与による相続税の軽減効果がいかに大きいかがよくわかります」(税理士法人ファミリィ代表の税理士・山本和義氏

繰り返しになるが、'23年に生前贈与のルールが改正されれば、現行の制度で暦年贈与ができるのは、今年の12月31日までと来年中のあと2回だけ。では、実際に暦年贈与を行うと、どのくらい節税できるのか。

たとえば、子供や孫が複数いるなら、なるべくたくさんの親族に暦年贈与することを考えたほうがいい。永田慎二さん(76歳・仮名)のケースで考えてみよう。

妻の智子さん(73歳・仮名)と年金暮らしで、長男と長女は独立し、それぞれ1人と2人の子供がいる。永田さんの財産は8000万円(自宅5000万円、預貯金3000万円)で、専業主婦の智子さんには自分名義の財産はない。永田さんの死後は智子さんが全額相続する予定で、その際の相続税は配偶者控除があるため、ゼロだ(一次相続)。

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