2023.03.10

舌がん、中絶4回、タモリの前で胸出し、家賃5万の借家で外界と断絶…女優・塩沢ときの「仰天人生」

週刊現代 プロフィール

一筋の光明

そんな絶望のどん底を味わった塩沢に一筋の光明が差す。

映画『アワモリ君売出す』('61年)のコミカルな講師役が舞い込んだのである。

女性らしくなりたいと願う生徒たちの前で「人のまねをせず、自分だけのものを、自分でつくりましょう!」と元気に叫んだ。

塩沢の明るく健康なイメージができた瞬間である。

舌がんの診断書とともに(『愛ときどき涙』より)
 

塩沢さんの元マネジャー・松野行秀さんが明かす。

「自分の境遇が充実して幸せに生きていたら、楽しくて明るい演技はできない。これが、塩沢さんが口癖のように言っていた言葉です」

元マネジャー・松野氏と(写真提供/松野行秀)

その後、園児の母親役や教育ママ役などが好評を博す。

ドラマ『愛の戦士レインボーマン』('72年~)では主人公の命を狙う魔女・イグアナを演じた。

清楚な女優は怪優へと変貌していく。

そしてその約10年後、大ブレイクが待ち受けていた。

90年頃、所属していた東宝芸能の懇親会にて(写真提供/松野行秀)
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