北陸地方に住む30代男性は、リーマンショック後の就職氷河期世代。現在、電車の運転士で、年収は450万円。その地域の平均収入を超えている。不妊治療を始めるところで、「いったい、いくらかかるのか」と頭を悩ませている。
自分で弁当を作り、水筒にお茶を入れて仕事に出かける。スマートフォンの契約は、「au」から「UQモバイル」に変えて利用料を月5000円ほど浮かせる。
妻も同じくらいの収入があるが、5年ごとに仕事の契約が結ばれるため、見通しが不透明。ダブルインカムが続かない可能性もある。男性は倹約して、残ったお金をすべて貯金に回している。
平均年収があっても、多くは家計がギリギリ。得体の知れない将来不安も抱え、出費を抑えている。これでは消費が落ち込み、景気がよくならないのも当然だ。そして、収入が平均値を下回れば、もっとつらい現実がある。