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前川喜平×おおたとしまさ「不登校者数・過去最多」の“元凶”は何か
2022.11.01

不登校対談・短期連載①

前川喜平×おおたとしまさ「不登校者数・過去最多」の“元凶”は何か

2022年10月27日に発表された『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』(文部科学省)によると、小中学生の不登校児童生徒数は前年度から48,813人(24.9%)増の244,940人で過去最多となった。過去5年間の傾向として、小学校・中学校ともに不登校児童生徒数及びその割合は増加、全体の不登校児童生徒数は9年連続で増加し、 “過去最多”という分析結果も出ている。

一方で「自宅におけるICT等を活用した学習活動を指導要録上出席扱いとした児童生徒数」(通称:不登校生の出席扱い制度)においては前年度から8,915人(439%)増の11,541人で、こちらも過去最多となり「学校」の在り方が変化してきていることが読み取れる。

今回、『不登校でも学べる』(集英社刊)を上梓した教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が、「不登校」という言葉をなくすためにできることを、元文部科学事務次官の前川喜平氏と熱論。現在の学校制度の問題点は何か? フリースクールやホームスクーリングへの経済的支援は可能か? FRaUwebにて、全4回にわたって短期集中連載する。第1回目は前川氏とおおた氏が、いま「学校を窮屈にしている」原因は何か……について考察します。

不登校児が増えているなかで我々がすべきこと

おおた:拙著『不登校でも学べる』では、要するに、いわゆる一般的な学校に行かなくなっても、これだけ学べる場所があるという事例を紹介しました。大人が工夫してあげれば子どもはいろんな形で学べるんだという話だし、ある意味お守りになればいいなって。最後の崖っ縁みたいに思うとますます余裕なくなるじゃないですか。そんなことはないんだよというふうな意味合いを込めた本です。さらに今回は、元文部科学事務次官の前川喜平さんのお知恵を拝借しながら、書籍の中では扱いきれなかった問題を考察したいと思っています。

前川:これ、新書にしちゃ分厚いんですよ。でも一気に読めますよね。しかも関心持っている人には、非常に役に立つ情報満載。

おおた:ありがとうございます。今、不登校が増えています。そのときに我々がすべきことって大きく分けて2つあるかなと思っていて、1つは当事者の不安や不満にどう手当をしていくかという短期的視点ですね。もう1つは、学校という制度や教育のシステムみたいなものを変えていくという中長期的な視点ですね。

Photo by iStock

じゃあ、学校をどう変えていくのかというときに、本書に出てくる事例がヒントになる。一般的な学校に行けなくなっちゃった子でも、不登校特例校だと普通に元気に通っていたりするわけですよね。だとしたら、最初から一般的な学校もそういうふうにしちゃえばみんなにとっても過ごしやすい学校になるんじゃないのって当然思う。そうなるとこんどは、学習指導要領はどこまで弾力的に解釈できるんだっけとか、フリースクールに通う経済的な負担は家庭任せでいいのかとかいう問題が出てきます。その辺りのことを、本書の一歩先のところまで今日は踏み込めたらと思っています。

前川:はい。

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