2022.11.14

世界で打楽器を持たない民族は、いるか? いないか?

打つだけで音が出る最もシンプルな方法
世の中にはさまざまな楽器が存在し、音の出し方もそれぞれ違う。

音の出し方は、じつは「打つ」「擦る」「吹く」「弾く」のたったの4種類しかない!

大きく分けると「動」と「静」に分類されるが、どんな楽器が、どんな音を奏でるのか?

さっそく、見てみよう!

(※本稿は、郡司すみ『世界の音』を一部再編集の上、紹介しています)

私たちは永遠に楽器の数を把握できない?

世界中に楽器の種類がどれほどあるのかは見当もつかない。

知っている楽器を思い出しながら数えてみると、多くても五十ぐらいで、そのうち名前を知っているものは半分以下、直接実物を見たことがあるものはさらにその半分、実際に音を出してみたことがある楽器の数は五指にも満たない、というのが楽器についての一般的な経験ではないだろうか?

近年、中国の中央民族学院少数民族文学芸術研究所から『中国少数民族楽器志』という立派な書物が刊行された。

ちなみにそこに掲載されている楽器の種類は九百七十種を超えている。

また一九七五年にソ連邦共和国で発行された同国の楽器についての報告書では省略されているものもあるように見受けられるにもかかわらず七百五十種の楽器が数えられる。

楽器の宝庫と言われるアフリカ、無数の島々がそれぞれ固有の楽器を持つオセアニアなど、世界のすべての楽器が調査されたときの楽器の種類はどれほどになるのであろうか?

われわれはおそらく永久にその数を知ることはできないであろう。

なぜなら楽器は人々が“音”を発見したときにはいつでも、そしてどこででも生まれ得るものなのであるから。

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音の出し方は、「打つ」「擦る」「吹く」「弾く」の4種類!

幸か不幸か、どのように楽器の種類が増えても人間が自分の体を使って音を出すことができる方法は四つしかない。

まず“打つ”という、人間にとってもきわめて自然な、生得の方法がある。
楽器の種類もこの方法で音を出すもの、いわゆる打楽器が最も多い。
どのような物でも打てば音が出るのだからこれは当然であろう。
種類の多少の差はあれ打楽器を持たない民族はないと言える。

ザックスも楽器の発祥順位ではまず初めに打つものをあげている。

次は擦[こす]り合わせて音を出すものが旧石器時代に発祥した楽器の中に見られるが、これは近年、ウクライナで考証されたマンモスの骨の楽器の中にも見ることができる。

生活の中で道具が非常に進歩したと考えられているこの旧石器時代にはさらに新しい楽器、笛が誕生したという。

笛はまさに生きてゆくための呼吸によって音が出されるものであるから、これも納得がゆく。

最も遅れて現れたのは“弾[はじ]く”という動作で音が出される弦楽器である。
三味線のように、打つようにして弾く弦楽器の奏法などを見ると、この二つの音の出し方は類似しているように思えるが、両者は明確に分けられなければならない。

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