素晴らしいフィギュア大会での出来事
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦スケートアメリカが10月23日(日本時間24日)まで米マサチューセッツ州ボストン郊外で行われました。
女子は世界チャンピオンの坂本花織選手が優勝を飾り、男子では史上初のグランプリシリーズでの四回転アクセルを決めたイリア・マリニン選手に次ぎ、日本からの新星、三浦佳生(かお)選手が見事銀メダルを獲得しました。さらにシングルからアイスダンスに転向したレジェンド高橋大輔選手と村元哉中選手の存在感溢れるダンス演技を披露。会場は魅了されたにも関わらず、予想よりも低い点数に観客からはジャッジに向けてのブーイングがあったほどでした。
私も会場に足を運び、久しぶりの観客入りのフィギュアスケートの国際大会の盛り上がりを楽しみました。全選手の演技に感動し、最高のひとときでした。


その中でも心に残った演技のひとつがアイスダンス米代表、今大会銀メダルのケイトリン・ホワイヤックとジャン=ルック・ベーカーカップルのリズムダンスでした。コミカルな演出の中に高難度の技が入り、彼らの性格がそのまま出されたパワフルな演技で、楽しんでいる間にあっという間に終わってしまい、「もう一度見たい!」と心から思うような個性的な演技。公式練習の演技後、二人に「すっごくよかった!」と伝えると、ジャン=ルックもケイトリンも「来てくれてありがとう」と爽やかな笑顔を向けてくれました。

こんな素晴らしい演技をした直後、「ケイトリンが会場の観客から心ない言葉で傷つけられた」と聞きとても悲しい気持ちになりました。しかし、彼女は傷つけられたままではいませんでした。それどころか、SNSを通して、多くの人を勇気づける大切なメッセージを発信してくれたのです。