2022.11.07
# 学校・教育

「日本語ですら話が通じない日本人」が多すぎるのに、小学校から英語教育をする必要があるのか

すべては「トレードオフ」で考えるべき

EMPSの2020年10月21日「小学校の英語教育が必修化!」やAmazing Talkerの2021年1月21日「2021年から全面実施!小学校で英語教育が正式科目に!」などの記事で解説されているように、「小学生からの英語教育の『義務化』」が推し進められている。

byGettyimages

だが、いつの間にか進行している「(小学校からの)英語教育義務化」は、本当に子供たちのためになるのか?あるいは、かえって子供たちの将来にダメージを与えるのではないかという疑問が浮かぶ。

日本の悪弊の一つに「根性論」がある。どのような素晴らしい根性があっても、1日24時間であることは変えられない。この「『時間は有限』であり、『一つのことをしている間は、他のことができない』」=「トレードオフ」を理解していないことが、日本におけるホワイトカラーの生産性の低さの最大原因であると考える。

なお、「トレードオフ」については、 2020年8月4日公開「『勝ち残る会社』はここで探せ!優良企業の宝庫『ポーター賞』をご存知か」冒頭ページ「一所懸命=トレード・オフ」を参照いただきたい。

上司が帰るまでひたすら待っている「だらだら残業」が横行したり、決まった時間内に作業を終了できない(能力の低い、集中力にかけた)人物が残業代をもらって居残っているのを「仕事熱心」だと評価する悪弊がはびこるのも「時間は有限」であるということを理解していないため生じる。

合理的な取捨選択という最初の最も重要な段階を飛び越して、間違った道の上でいくら努力をしても全くの徒労だ。投資の神様・バフェットは「正確に間違っているよりも、大雑把に正しい方がましだ」と述べるが、同じである。

つまり、仕事の効率性を高めるには「取捨選択」が極めて重要なのだが、取捨選択をせずに「やればできる」とばかりに、あれもこれも手を出し、結局どれもが中途半端になるのが日本(企業)の問題である。戦前の「竹やりでB29を落とせないのは、貴様たちの根性が腐っているからだ」という根性論が形を変えて、日本社会に根付いている。

NewsPicksの「社内公用語の英語化で日本企業はどう変わる?PROGRIT社長と国際投資アナリストの大討論へMC加藤浩次も参戦!?」という番組へ出演したときも、「英語を公用語にすれば、勉強の意欲もわいて、時間を捻りだすことができるんですよ……」というような趣旨の発言があったと記憶している。

 

確かに、勉強でも仕事でも意欲が結果を大きく左右するのは事実である。むしろ仕事に対するモチベーションをもっと重視すべきであることは9月4日公開「つまらない会社はつまらないものしか生み出せない…では会社の成長を支える『面白い』とは何なのか」で述べた。

だが、それはあくまで「個人」の問題であり、「個人」に対して行うべきマネジメントなのだ。

学校や会社という「組織」で一律のルールを押し付ける時には「トレードオフ」の視点であるべきである。したがって、小学生の英語の勉強を義務化すれば当然のごとく、それによって押しやられ充分に学べない教科が出てくる。

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