2022.11.14

サンプルサイズは2000人以上必要? 社会調査・統計学にまつわる4つの神話を検証!

「泉」から生まれた「神話」

2000年代、『トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜』という人気番組がありました。視聴者から投稿された、役には立たないけれど面白い豆知識を、出演者が「へぇ」の数で評価するバラエティ番組です。私も小学生のころによく見ていたのを覚えています。

その番組に「トリビアの種」というコーナーがありました。これは、視聴者の素朴な疑問を実際に検証し、新たな豆知識を得る、という趣旨でした。たとえば「ボーリング球を100mの高さからトランポリンへ落とすと、どのぐらいの高さに跳ね返るのか?」といった、「どうでもよいけれども、ちょっと気になる疑問」に体当たりで挑んでいました。

その「トリビアの種」ではしばしば「日本で一番使われているダジャレは?」というような、全国の人々に尋ねる必要がある疑問もありました。そのタイプの疑問を検証する場合は冒頭に、「統計学の専門家」が「今回の調査ですと2,000人を調べればよいでしょう」と述べるVTRが流れ、街頭インタビューを行い実際に調査する、という流れになっています。

【写真】「満開」になる「種」の裏には地道な調査・集計「満開」になる「種」の裏には地道な調査・集計が…… photo by gettyimages

さて、時は流れて2022年の現代。この「2,000人の回答が必要」をはじめ、さまざまな社会調査・統計学にまつわる神話が巷を跋扈するようになりました。今回は、社会調査・統計学にまつわる4つの神話を取り上げ、それらを解体していきます。

「全国の声」を聴く方法

神話1――街頭インタビューは全国の声を反映している。

『トリビアの泉』では視聴者の疑問に答えるために、街頭インタビューを実施していました。

この番組に限らず、テレビではしばしば「街の人の声」という形で街頭にてインタビューを行います。こうしたシーンを目にするからか、「街中でランダムに人に声をかければ、全国の状況を反映するはずだ」と考える人が多くいるようです。私が教えている東京工業大学の講義でも、そう考える学生が一定数います。

【写真】街頭インタビュー街頭インタビューは、全国の状況を反映すると思いそうだが!? photo by gettyimages

しかし、「街頭の声」は必ずしも「全国の声」を代表しません。それは「その時間に街頭にいる」というバイアスがかかるからです。

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