2022.11.11
# EV # 自動車

「テスラに勝てそうもなければやらない」のは愚か者…EVスタートアップの覚悟

TURING 山本一成氏が語る #2

2017年に自主開発のAIソフト「Ponanza(ポナンザ)」で将棋名人に勝利したエンジニアの山本一成氏。同氏が昨年、米カーネギーメロン大学で博士号を取得した自動運転研究者の青木俊介氏と共同設立したのが、「TURING(チューリング)」(本社:千葉県柏市)だ。

同社はEV(電気自動車)や自動運転の技術開発だけでなく、将来的には米国のテスラや日本のトヨタのように年間数百万台ものクルマ(自動運転EV)を量産する完成車メーカーを目指す。

2022年8月、千葉県柏市内で公道における実証実験を開始した車両のイメージ(写真:TURING)
 

しかし、すでに世界では中国や欧米を中心にEV市場が急速に立ち上がり、自動運転でもグーグル系列の「ウェイモ」などハイテク企業が無人運転タクシーの試験サービスを開始している。スタートアップ企業のTURINGはその牙城にどう食い込んでいくのか?

前編記事『「自動車業界の『ユニクロ』を目指す」…将棋AIの天才が、EVメーカーを創業した理由』に続き、同社CEOの山本氏に「世界のEV市場や自動運転の現状をどう見ているか」、また「大手自動車メーカーや巨大IT企業と肩を並べる技術力をどう蓄えていくか」等について聞いた。

やまもと・いっせい 1985年生まれ。愛知県出身。東京大学での留年をきっかけにプログラミングを勉強し始める。その後10年間コンピュータ将棋プログラム「Ponanza」を開発、佐藤天彦名人(当時)を倒す。東京大学大学院卒業後、HEROZ株式会社に入社、その後リードエンジニアとして上場まで助力した。現在名古屋大学特任准教授・愛知学院大学特任教授も兼任。

――現在の世界EV市場は中国での販売台数が世界全体の約5割を占めるなど、かなり歪です。しかも中国のEVは政府からの購入補助金に大きく依存している。つまり自然に生まれたブームというより、何か意図的に作られたEVシフトという感が、なきにしもあらずです。この点に関して、何かご意見があればお聞かせください。

いや、中国だけではなくて、欧米をはじめ各国の政府がEVに補助金を出していますから、世界的にも「つくられたトレンド」という印象があります。でも、それはある程度、やむを得ないですよね。

地球温暖化や異常気象は私たちが普段肌身で感じていますし、それらの問題を解決するには二酸化炭素の排出量を削減しなければならないのも事実です。そのためにEVシフトやグリーン経済化を政府主導で進めていくのは当然ではないかと思います。

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