2022.11.05

仮想空間でセックス強要も…増加する「メタバース犯罪」にインターポールが動いた!

現実になる「メタバース警察」

マネーロンダリングの場として利用する動き

世界中で注目が高まる「メタバース」。これまでも何度か紹介したが、メタバースとは3DCGで描かれる仮想空間の中で、ユーザーが自らの分身となるアバターを操作してさまざまな目的(ゲームやコミュニケーション、エンターテインメントなど)を達成できるサービスを指す。調査会社ガートナーの予測によれば、2026年までに、世界で4人に1人が仕事やショッピング、勉強、あるいは他人との交流のために1日1時間以上メタバースに費やすようになるという。また同じく2026年までに、企業の30パーセントがメタバースに対応した製品・サービスを提供するようになるそうだ。

photo by gettyimages

それだけメタバースに参加する人々が増え、そこで滞在する時間も増えると、心配になるのが犯罪行為の増加だ。以前の記事で取り上げたように、既にメタバース上でアダルトコンテンツが提供されたり、性的な行為を要求されたりすることが確認されており、それに子供たちが巻き込まれてしまう状況が懸念されている。また前述のガートナーは、メタバースが仮想通貨やNFT等を軸とした仮想経済圏をつくり上げると予想しているが、そうなれば金銭が関係する犯罪行為の場としても仮想空間が利用される恐れがある。

実際にメタバースをマネーロンダリングの場として利用する動きが見られることも、以前の記事で紹介した通りだ。

こうした状況に対して、当然ながらメタバース系サービスを提供する企業も取り締まりを強化している。しかし現実空間では、犯罪行為を取り締まるのは公的な機関だ。そこでメタバースという仮想空間に対しても、既存の警察組織が関与を深めようという動きが生まれている。

そうした組織のひとつがインターポール(INTERPOL)だ。正式名称は国際刑事警察機構(International Criminal Police Organization)で、ICPOと略されることもある。さまざまなフィクション作品にも登場するので、ご存知の方も多いだろう。ただアニメや映画などでは、直属の捜査官が世界中を飛び回って犯罪者を追いかけるというイメージがあるが(『ルパン三世』の銭形警部のように)、実際には各国の警察組織の間で連携を行ったり、彼らの捜査を支援したりするのが主な仕事となっている。

そのインターポールが、今年10月18日からインドのニューデリーで開催された第90回総会において、世界初となる「警察向けメタバース」を発表した。これはインターポールの通常業務と同様、世界各国の法執行機関の連携を図ることが目的となっており、ユーザーはフランスのリヨンにあるインターポール事務局の本部を模した仮想空間にアクセスでき、アバターを通じてインターポール職員や他のユーザーと交流できるようになっている。また科学捜査など、さまざまな捜査関連スキルに関する没入型のトレーニングコースを受けることができるそうだ。

インターポールが開発したメタバースの様子
 

総会で行われたインタラクティブセッションでは、実際にニューデリーにいる総会参加者が、VR用ヘッドセットを使ってメタバースにアクセスし、事務局の建物などを見学。そして空港における旅客審査に関するトレーニングコースが実施され、受講したユーザーはその後メタバース内のバーチャル空港にテレポートし、学んだスキルを実践した。また同時に、インターポールがメタバースに関する専門家グループを設立することも発表されており、仮想世界の安全を守るために関与を行うという方針が示された。

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