「住むところが離れれば、心の距離も離れるもの。単身赴任をきっかけに、浮気をしてしまう人は多いです」と語るのは、浮気調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の山村佳子さん。

ここ20年ほど、会社員のワークライフバランスは向上しているように思われている。しかし、独立行政法人労働政策研究所が発表した『ユースフル労働統計2021』によると、仕事のために家族と離れて暮らす単身赴任の割合はここ20年で増回している。単身赴任割合は、1987年の1.4%から2017年の3.0%と倍増しているのだ。
背景には、赴任先に帯同できない共働き世帯が増えていることや、子供の学校、親の介護などの事情などが考えられる。

山村佳子さんのもとに相談に来たのは国家公務員の祥子さん(仮名・46歳)。結婚15年、IT関連会社の役員である夫(45歳)との間に、14歳の娘、11歳の息子がいます。

前編「エリート「セックスレス仲良し夫婦」単身赴任先で妻が見た「浮気の決定的証拠」」では、祥子さん夫妻の15年間をお伝えした。大学の同級生だった2人は、30歳のときに友人の結婚式で再会。穏やかに距離を縮め、1年で結婚。一姫二太郎を授かり、23区内に一戸建ても購入し、順風満帆な人生を歩んできた。

しかし、半年前に夫に関西支社立ち上げの辞令が下る。「家族は一緒にいたほうがいい」という考えを持つ香織さんは、自分は完全リモートの部署に異動、子供達は転校し、帯同しようとしたが、夫はそれを拒み、単身赴任をする。
それから半年、夫の部屋を突撃訪問すると、化粧品や歯ブラシなど明らかに女性がいる痕跡を認める。家族を大切にしている祥子さんは、今後の家族がどうすべきかを決めるためにも現状を知ることが必要だと、山村氏に調査を依頼した。

夫の単身赴任先で見つけた日本の歯ブラシや化粧水…青天の霹靂だった Photo by iStock
 

LINEも頻繁にやり取りする「良好な家族関係」

祥子さんと夫は密にコミュニケーションを取っています。1日にLINEは3回以上自然発生的に行われており、夫は「かわいい看板を見つけた」とか「これ、●●(息子)が好きそうな味」などの簡潔な文章とともに、写真を送ってきていることから、良好な家族関係を伺えました。
また、祥子さんが大阪に行く第2日曜日には、「祥ちゃんとここに行きたい」と関西方面の詳細なデートプランを送ってきています。夫は関西が地元なのでその内容が通好みで詳しい。

このLINEを見ながら祥子さんは「浮気を見なかったことにすればいいと何度も思いましたが、夫の関西勤務は終わりがないのです。だから釘を刺しておかないと、東京に帰ってこない可能性があるんです」と思い詰めたように言っていました。

夫からのLINEを見ると、「浮気を見なかったことにすればいいのか」と思いもするが…Photo by iStock

LINEをさかのぼると、夫は9時ごろに家を出て、21時くらいに帰宅することがわかります。そこで、私たちは木・金・土に狙いを定めて、大阪で張り込むことにしました。夫が住んでいるのは、単身赴任者が多く住む、地下鉄の駅でした。ここは何度も調査に入ったことがあり、勝手知ったる場所です。男女問わず、単身赴任になると気が緩んで浮気をしがち。既婚者の場合、浮気となるとホテル代がかかってきますが、単身赴任なら家賃は会社が支払っている部屋に、連れ込み放題です。