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前川喜平×おおたとしまさ 不登校の選択肢“ホームスクーリング”を阻む「学校信仰」
2022.11.08

不登校対談・短期連載②

前川喜平×おおたとしまさ 不登校の選択肢“ホームスクーリング”を阻む「学校信仰」

前川喜平×おおたとしまさ 不登校の選択肢“ホームスクーリング”を阻む「学校信仰」 写真/著者提供 画像ギャラリーを見る→

2022年10月27日に発表された『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』(文部科学省)によると、小中学生の不登校児童生徒数は前年度から48,813人(24.9%)増の244,940人で過去最多となった。過去5年間の傾向として、小学校・中学校ともに不登校児童生徒数及びその割合は増加、全体の不登校児童生徒数は9年連続で増加し、 “過去最多”という分析結果も出ている。

一方で「自宅におけるICT等を活用した学習活動を指導要録上出席扱いとした児童生徒数」(通称:不登校生の出席扱い制度)においては前年度から8,915人(439%)増の11,541人で、こちらも過去最多となり「学校」の在り方が変化してきていることが読み取れる。

今回、『不登校でも学べる』(集英社刊)を上梓した教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が、「不登校」という言葉をなくすためにできることを、元文部科学事務次官の前川喜平氏と熱論。現在の学校制度の問題点は何か? フリースクールやホームスクーリングへの経済的支援は可能か? FRaUwebにて、全4回にわたって短期集中連載する。第1回目『前川喜平×おおたとしまさ「不登校者数・過去最多」の“元凶”は何か』に続き、第2回目は、不登校の子どもたちの選択肢のひとつになりうる“ホームスクーリング”について。世界では認められているホームスクーリングが、なぜ日本では教育の場として認められないままなのか。前川氏とおおた氏が考察します。

「登校拒否」は直さなければならないという考え方

おおた:『不登校でも学べる』執筆のため取材をしている中で、不登校に対する社会の風当たりがこの数年でだいぶ変わったと、現場の皆さんが口をそろえていました。不登校に対する文科省の向き合い方の変化をご説明いただけたらなと思うんですけど。

Photo by iStock

前川:私が文部省に入ったのは1979年です。その頃の学校現場の問題というのは、不登校よりは校内暴力でした。校内暴力が収まっていくと、次に社会問題化したのはやっぱりいじめと不登校だったんですね。

いじめと不登校は並べて語られることも多いけれども、必ずしも、いじめがあるから不登校という因果関係あるわけではないですね。当時はまだ不登校という言葉がなくて、登校拒否と言っていました。登校拒否は直さなきゃいけないとかって言って、戸塚ヨットスクールみたいな話が出てきて、子どもが亡くなるなんていうことまで起きました。

それで当時の文部省の中にもいろいろ反省が起きて、有識者会議をつくって議論した結果、1992年に通知を出します。そのときから登校拒否じゃなくて不登校って言葉を使おうと。不登校は誰にでも起こり得るんだと。そのとき画期的だったのは、フリースクールなどで通っている場合でも、在籍している学校での出席として見なすと。指導要録上、出席扱いするっていうことなんですけど。

おおた:はい。

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