資産は1億円超…「県のPTA連合会」の「疑問が募る運営」に、松山市のPTA連合会が退会を決めたワケ
「(愛媛)県P連には、さまざまな積立金などを合わせると、1億3000万円を超える金額が保有されていることになります。
『南海トラフ巨大地震など想定外の事態に備えるため』という説明を受けましたが、松山市P連を含め、県内のどの市郡のP連も毎年ぎりぎりの会計状況で運営しているなか、県P連だけにたくさんのお金が残り続け、ほとんどが還元されない上、還元されても平等でない運営に疑問を感じました」
こう語るのは、2020〜2021年度に松山市P連会長をつとめた河崎元(はじめ)さん(「崎」は「タツザキ」)。
2022年2月、愛媛県・松山市の小中学校PTAが構成する連合会(=松山市P連)は、それまで加入していた愛媛県PTA連合会(=県P連)を退会し、大きく注目を集めました。
いったいなぜ松山市P連は、この退会に決めたのか。そもそも、PTAが集まって構成する「P連」の役割とはなんなのか。「P連」は本当に必要なものなのか…。河崎さんに、県P連退会までの経緯や自身が考えるP連の役割、意義について聞きました。

P連の運営資金の一部は、PTA会費
PTA連合会とは、その名のごとく、各学校のPTAが連なった団体をさします。「PTA連絡協議会」「PTA協議会」など地域により名称は異なりますが、総称して「P連」とよばれています。これに対し、各学校のPTAは「単P」(=単位PTA)とよばれています。
単Pは、その単Pが所属する市区町村のP連(市P連や区P連)の一員であることが多く、単Pの会長や副会長、P連担当役員がP連の活動に参加しているのが一般的です。
市区町村のP連の上部団体として「都道府県P連」、「都道府県P連」を束ねる最上位団体として「公益社団法人日本PTA全国協議会」(=日P/会員約800万人)が存在します。